ちゃとら

こもりびとのちゃとらのレビュー・感想・評価

こもりびと(2020年製作のドラマ)
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 たまたま、TVをつけたら再放送していた。次の日仕事だけど…と思いつつ、観てしまった。

 40歳の主人公雅男(松山ケンイチ)は、就職氷河期の時代に、非正規雇用でファミレスの店長になったが、職場でのハラスメント、母親が亡くなった事など、強いストレスがかかり、起き上がる事が出来なくなり、10年以上引きこもっている。
 同居する父(武田鉄矢)元教師。慕われる存在だが、厳格で雅男には、引きこもっていることを『努力が足りない』『甘えている』『生きる価値はない』等、厳しい言葉を浴びせ、2人の関係の溝は深い。
 しかし癌を患い、余命が短い父は死を前に、再び雅男と向き合おうと、就活中の姪の力を借り、試みる。
 姪は、祖父、叔父の歩み寄りに協力するも、自身の就職活動の中で、セクハラや世の中の矛盾を感じる。

 父、息子、姪の生き様、どちらも観ていて辛かった。
 
 今、生きづらい社会と言われるが、それは父の世代も同じだったのではと思う。
 
 ドラマを通じて、世の中がひきこもりについて理解し、寛容な社会になればと思う。
誰もが、心が壊れてしまう時があるのだから。
 
 俳優陣が、素晴らしかった。
ひきこもる息子役の松山ケンイチさん、目の動きや、上手く言葉で表現できない時に震えた拳を頭に押さえつけたりと、見事だった。無気力の時の表情から、姪が扉越しに話しかけてきた時の表情の変化、素晴らしい。
 不器用で厳格な父役の武田鉄矢さん、流石でした。息子とTwitterを通して会話するシーン、嬉しそうな表情が堪らない。
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