どぅぐ

バーバリアンズ -若き野望のさだめ- シーズン1のどぅぐのレビュー・感想・評価

4.2
『トイトブルク森の戦い』の映像化だった。最初全然知らずに見てて、途中からあれ、まさか?と思いwikiに飛ぶ。それから、やっぱり、これ、世界史で習ったわ!と興奮。この作品に限らず、知ってる出来事が映像として見れるって最高だ。

ゲルマン部族長の息子アルミニウスが、ゲルマニア総督ウァルスの被後見人というのはフィクション的な味付けだと思うけど、もしかしたらそうだったかもしれないというのが、歴史小説や歴史映画の良さだなど。
描き方としては、主人公に思い切り感情移入させるというよりは、運命の度し難さを受け入れ、その中でも何が自分にとって大事か選ぶしかない、みたいな感じだった。
罪なき人も罪ある人も死ぬってセリフはいいなと思った。
物語において感情移入させるには、絶対的な悪者を作ればいいのだけど、どうやらこの監督はそういう物作りは好みじゃないらしい。最後も、ローマ帝国人の気高さと誇りをしっかりと映していたことからも分かるように、復讐完了、はい、カタストロフィで気持ちいい!
が全てではないという考えが伝わった。

中盤で、実父との心の通じ合いみたいなものがあると劇的な物語になったと思うのだけど、自分を捨てた親や部族に変わらぬ愛なんて保てるわけが無いから、リアリズムのさじ加減を大事にしたいなら、主人公の描き方はあっさりがベストなのかもしれない。
ウァルスよ、我が軍団を返せ!
ってこの後にアウグストゥスがローマで叫ぶと思うと1人でワクワクした。
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