にゃん

おじさまと猫のにゃんのネタバレレビュー・内容・結末

おじさまと猫(2021年製作のドラマ)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

1話のおじさまと猫の出会いのシーンから既に泣いていた。奥様に先立たれたおじさまが写真の奥様に「君が飼いたがっていた猫だよ、触りにきてよ」と話しかけるシーンも涙。

ほのぼのとして平和な素敵なストーリー。
エンディングの原作漫画のシーンと共に出される実写のシーンの画が好きだった。

「君にもう一度会えたら、幸せに生ききったよと報告するんだ」という神田の妻に向けたメッセージが素敵だった。

ストーリー
1
ペットショップで売れ残っていた一匹の成猫。客に見向きもされず、日に日に値段を下げられ…誰かに愛されることを諦めていた。一方、ピアニストの神田(草刈正雄)は妻に先立たれたショックから、ふさぎこむ日々を過ごしていた。ある日、神田は亡き妻が「猫を飼いたい」と話していたのを思い出し、通りがかったペットショップに立ち寄るが、そこで、成猫と運命的な出会いを果たす。誰かに愛されたかった猫とおじさまの愛おしい日々が始まる。

2
神田(草刈正雄)の家に初めてやってきた猫は、慣れない広い部屋への戸惑いと神田の家族に拒まれることを恐れ、キャリーケースから出られずにいた。そんな様子に、神田は自分一人しか住んでいないことを告げる。自分と同様、神田も孤独を感じていると知ったその猫は、寂しげな表情で話す神田にそっと擦り寄る…。神田は、出会えたことが幸福だという理由から、その猫に“ふくまる”と名付けることにする。こうして、一人と一匹の温かな生活が始まる。

3
新しい職場に初出勤する神田(草刈正雄)は、そわそわした様子で着替えている。家に置いていくふくまる(声:神木隆之介)のことが心配で仕方ないのだ。そんな神田を励ますように、一人で待てると意気込むふくまるだったが、いざ神田が出ていくと寂しさでいっぱいに…。一方、新しい職場・音楽教室で、同性の職員が来たと喜ぶ森山(小関裕太)から、歓迎会をしようと声をかけられるが、ふくまるのことが心配でたまらない神田はふくまるのことを話し家に走って帰る。ふくまるのおかげで職場にも馴染めた神田であった。

4
もうすぐ1歳になるふくまる(声:神木隆之介)。神田(草刈正雄)はペットショップの店員・佐藤(武田玲奈)から早めの去勢手術を勧められていた。どの本を読んでも手術すべきだと書かれていたが、ふくまるに万が一のことがあったらと想像すると、不安でたまらない。周囲にも相談しながら、神田は意を決して去勢に踏み切る決断をする。病院へ連れて行くと、診察台で怯えるふくまる。神田はふくまるを安心させるために言葉を重ね、獣医にふくまるを託そうとするがなかなか手放せない。やっとの思いで託しふくまるの去勢も無事成功したのだった。

5
ふくまる(声:神木隆之介)のおかげもあって、音楽教室の子供達にも大人気の神田(草刈正雄)。レッスン後、森山(小関裕太)と話していると、神田の幼少期の思い出を垣間見ることになる…。そして帰宅途中、小林(升毅)に遭遇し、猫グッズが並ぶ雑貨屋に入ると、すっかり猫好きになった神田は次々と猫グッズを購入する。ところが、ふと目に入ったマグカップから、かつて妻・鈴音(高橋ひとみ)とこの雑貨屋を訪れた時のことを思い出す。"好きなもののモチーフは無意識に目がいってしまう"という妻の言葉。その後、妻は旦那へのサプライズでピアノの絵がプリントされたマグカップを買っていたのだった。

6
ふくまる(声:神木隆之介)と暮らすようになってから、妻が生きていた頃のように、少しずつピアノが楽しめるようになっていた神田(草刈正雄)。そんなある日、音楽教室で神田の演奏のすばらしさに興奮した森山(小関裕太)は、神田をピアノのコンサートに一緒に行こうと誘う。神田は心の中では戸惑いを感じながらも、誘いに快諾する。今話題のピアニスト日比野奏(平山浩行)のコンサートだが、会場に行った神田はステージを見ながら過呼吸になってしまう。妻の悲報を聞いたとき、神田はコンサートひと段落終えた時だった。それ以来ステージがトラウマになっていたのだ。

7
世界的ピアニストである神田(草刈正雄)との才能の差に打ちのめされて以来、神田を憎んでいる日比野(平山浩行)は、先日、自分のコンサートを神田が途中退出したことに、苛立っていた。そんな中、日比野は母親から猫・マリン(声:松本穂香)の飼育を押し付けられ、しぶしぶ猫グッズを揃えるためペットショップに向かうことに。店員の佐藤(武田玲奈)に勧められるがまま、大量の猫グッズを選んでいると、偶然にも神田と再会を果たし"猫が見たい"という神田の圧に負けて家に招くことになってしまう。

8
神田(草刈正雄)は、ピアニストの日比野(平山浩行)が猫を飼い始めたばかりだと聞いて、日比野の家について行くことに。しかし、家に着くと、ケースの中にいるはずのマリン(声:松本穂香)がいなくなっていた。奥まった隙間に隠れていたマリンを見つけるが、その姿を見て神田は驚く。なんと自分の飼い猫のふくまる(声:神木隆之介)とそっくりなのだ。ふくまるとマリンは姉弟かもしれない、そう思った神田は、日比野とマリンを自宅に招待する。実はマリンは本当にふくまるの姉だったのだ。猫たちは奇跡の再会を果たす。

9
神田(草刈正雄)は音楽教室の生徒の発表会が迫り悩んでいた。以前、日比野(平山浩行)のコンサートの会場で、まともに息をすることもできなかった自分が、生徒を支えることはできないと…。退職届を出すことを決意するが、それを知った親友の小林(升毅)は、もっと周りを頼れよ!と叱咤する。逡巡したまま退職届を提出する神田だが、同僚の森山(小関裕太)は自分がコンサートに誘ったのが原因だと落ちこむ。そして音楽教室側も退職願を受け取らない。悩みを打ち明けて欲しいと、言われトラウマのことを話し教室側の説得もありもう少し先生を続けることに。

10
同僚の森山(小関裕太)のバンドライブに誘われた神田(草刈正雄)。しかし、コンサート会場での一連の出来事から不安を抱えていた。親友の小林(升毅)に相談すると、事前に別のライブに一緒に行ってみようと提案される。ピアノのコンサートとは全く違った、ロックの激しくて騒がしい空間に、神田は圧倒されてしまう…。さらにステージ上でギターを弾く日比野にも遭遇してしまう。日比野は神田の顔がチラつかずに楽しめるギターを趣味で始めていたのだった。

11
ライブに出かけた神田(草刈正雄)の帰りを待っている間に、家からいなくなってしまったふくまる(声:神木隆之介)。神田のために願い事をしようと、流れ星を追ったことから迷子になってしまっていた。一方、神田はいなくなったふくまるを懸命に捜索する。ついに、ふくまるの姿を見つけ近寄ってみると、その子は、ふくまるにそっくりな別の猫だった。しかも激しく衰弱した様子で…。一刻も早くふくまるを見つけたい一方で、目の前の猫を見捨てることはできない。そんな神田はその目の前の猫を病院へ送り届けてからふくまるを探しに出る選択をしたのだった。ふくまるとも無事に出会えたのだった。

12
神田と再会し、無事におうちに帰ってきたふくまる(声:神木隆之介)。安心するも、ふと孤独に過ごした日々がこみ上げ、泣き出してしまう。そんなふくまるに神田(草刈正雄)はそっと寄り添うのだった…。一方、森山(小関裕太)のライブが翌日に迫っていた。ふくまるの捜索に協力してくれた皆のためにも、神田はライブに行くことを決意する。しかし翌日、会場で神田が目にしたのは、仲間に見捨てられ、ステージで1人立ち尽くす森山の姿だった。そんな彼のために神田ができること、それは一緒にステージに立って演奏してあげること。その神田の姿に感化され、観に来ていた日比野とそのバンド仲間もステージに上がり演奏する。ステージでの演奏が出来ないトラウマを抱えていた神田だったが、今こうやって演奏出来ているのは「誰かのために演奏しているからだ」と気づく。そう、昔妻の為にピアノを演奏していたように。ついに、ライブは成功に終わるのだった。
ライブ終わりの打ち上げはふくまるの待つ神田の家で。賑やかな家の中に「以前だったら想像もしていなかった」とふくまるのおかげで踏み出せたキラキラした笑顔のある毎日を神田は噛み締めるのだった。
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