こいももか

今ここにある危機とぼくの好感度についてのこいももかのレビュー・感想・評価

3.8
ドラマ全体に流れる雰囲気はダークでアングラ的、秘密めいている。だけど、このドラマが扱う部署は、最もオープンであるべき名門国立大学の広報。
その広報にもダークサイドがあることを描いていてこのドラマの世界観なのかも。

元広報としては、広報一旦辞めたきっかけがそういうもどかしさもあったので、うなずけることも多い。隠したくないのに信用のために隠せと言われたり、トップの一声で説明もなくプロジェクトが中止されたり。もどかしいけど、大きな組織を続けていくにはグレーな部分も時に必要だったりする。白黒はっきりつけたかったから何度もぶつかったけど。勉強になった。


「見下すのは勝手だけど見くびるのはやめたほうがいいよ」
「沈黙が残念」
など、ハッとする言葉、社会に突き刺す言葉が散りばめられている。

普段何気なくスルーしがちなことを主人公の新人広報マンは突きつけられ意見を求められる。

だんだん本音とかサイレントでいることの罪に気づき始め行動が変わっていく物語なのかな。

主人公が突きつけられることは、誹謗中傷が横行する社会に一石を投じ、我々にも、まっとうに生きているか問いかけているのだと個人的には思う。

毎回、社会を斬る言葉が主人公松坂桃李さんに投げかけられるのが楽しみになってきた。

2021.5.16