tonco

今ここにある危機とぼくの好感度についてのtoncoのレビュー・感想・評価

4.7
趣味が合う友人とドラマウォッチャーの先輩両方から「今期ダントツNo. 1早く観て」と言われてたので再放送回から慌てて録画視聴💦めちゃくちゃ面白かった!

タイトルから堅苦しい説教系ドラマ?と思ってたら、シン・ゴジラのあのグダグダ会議を彷彿とさせるおっさんたちのコミカルでドタバタの会話劇に笑う。

この偉いオジサンたちのキャストが豪華すぎ。國村隼さんがいるだけでまず映画の空気漂ってるけど、その他も名バイプレイヤーが連なり、みんな楽しく芝居してるのが分かる。

元アナウンサーで大学の広報課に転職した松坂桃李くんの上司となる、ことなかれ主義の渡辺いっけいの「正論ダメ!絶対」にまず爆笑。なるほどこれはブラックコメディかと理解…

1話は、大学の研究室で行われたデータ偽造を告発した木嶋みのり(鈴木杏)が最終的に手立てを失い、悔しながら訴えを引き下げるとこまで。

この時に、好感度だけを意識してきた主人公の松坂桃李くんへ放つ辛辣な台詞「(上の人は)見下してる人間への想像力が欠如してる」。この一連のくだりの鈴木杏ちゃんのお芝居がすばらしすぎました👏
ここだけでも一見の価値あり。

そしてそんなに熱量高く訴えられたのに、そこでもまた「自分は責任に問われないよね?」と我が身を心配する主人公のクズぶり。。

意味のあることはいっさい言わない
=リスク軽減

そうやって好感度命で生きてきた主人公が、ほんの少しだけ成長…できたのかな最後は。

大学の本懐とは?人間はいかに自分がかわいい生き物か…などいろいろ考えさせられたドラマだった。メッセージ性の強い重たいストーリーながら、軽快でテンポの良いコメディ仕立てで、ドラマ性もエンタメとしても楽しめた☺️

組織とはいつしか停滞し腐ってしまい、競争する力を失う。

その中でも腐らず、小さくても強い炎を燃やし続けるって労力いるし、すぐ大きな力に呑み込まれちゃうけど、それでも続ける人って美しいんだなぁと。

木嶋みのりちゃんの物語だったのかな。それを、松坂桃李くんの視点で見せてるのが面白かった。
tonco

tonco