“怖い。けどそれ以上に人間臭い”
とあるボロホテルに宿泊に来た青年。彼が大事そうに持っているバスケットの中には何と超グロテスクなモンスター“ベリアル”が入っていて、突如として人々を襲う。何故か青年にはベリアルと言語的に意思疎通できる力があり、どうやら彼らには共通のある目的があった…
という感じの80年代ホラーで、ジョジョの荒木飛呂彦先生も推薦文を書いている通り、怖さ以上にどこか哀愁漂うストーリーが魅力的。
本作はパニックホラーというよりはホラーサスペンスであると俺と荒木先生は申し上げたい!(笑)
こういうパニッククリーチャーものは得てして
「結局、あいつ(モンスター)って何だったの?」
というのが多いのだけれど、本作のベリアルはその流れと真逆で、むしろ話の中盤でしっかり彼の出生や特性について掘り下げているのが実に興味深い。
その設定内容も共感と同情を誘うし、そういえば80年代はそういう社会問題&現象がニュースにあったなあとふと思い出した。
怪物なのにベリアルが人を襲う動機が実に人間的。
なぜ青年がそうまでしてベリアルを匿うのかが合点のいくストーリーにじんわり感激。
故に後半のエログロシーンも半分笑えて、もう半分は切なく思えた。
ラストが何とも非業。だけどこのストーリーの最後としてはなんだかとてもしっくりくる落としどころだった。
泣ける怪物映画です。