タケオ

ゴースト/ニューヨークの幻のタケオのレビュー・感想・評価

3.4
本作は、「G.I.ジェーン」や「素顔のままで」でゴールデンラズベリー賞の常連となり、ありとあらゆる男を食い物にしながら整形モンスターと化する前のとってもキュートなデミ•ムーアを拝めることのできる数少ない作品だ。

暴漢に襲われ命を落としてしまったサムは、同僚のカールが銀行で400万ドルの資金洗浄を企て妨害となった自らを計画的に襲ったという恐ろしい事実を知る‼︎なんとしても恋人のモリーを守りたいサムは、幽霊の声だけを聞くことのできる前科持ちインチキ霊媒師オダ=メイに協力を求めるが•••⁉︎

"最愛の人は死んでも守り抜く"
そんなテンプレと化した展開は、本作による影響が大きい。

「アンチェインド•メロディ」をBGMにイチャイチャとサムとモリーが陶芸を行う鼻に付くようなシーンに殺意が湧いたが、数分後にサムが本当に死んでしまいちょっと罪悪感。しかし、非リア充に煮えたぎるような憎悪を覚えさせるであろう幸せ演出が、サムが霊体となってしまった後の切なさを一層強調することに成功している。

また、「フライング•ハイ」や「裸の銃を持つ男」で知られるジェリー•ザッカーが監督を務めていることもあり、サムとモリーのロマンスや、やたらと詳細を説明してくれるカールの企みに立ち向かうサスペンス要素に加え、インチキ霊媒師オダ=メイとサムのバディ•コメディとしても良くできている。

本作でオダ=メイを演じたウーピー•ゴールドバーグはアカデミー賞助演女優賞を受賞した。確かに誰よりも輝いてたし、何より楽しそうだったな〜。

ロマンス、コメディ、ホラー、サスペンスといった様々な要素が巧みに詰め込まれた美しいラブ•ストーリーだ‼︎

余談だが、本作では400万ドルの行方を巡りストーリーが展開していくが、2003年にデミ•ムーアは約2600万ドルの美容整形を行うこととなる。本作のスケールが1/6.5ぐらい小さく感じてしまうので、知らない方が良いと忠告しておきたい。

じゃあ書くなよ、デミ•ムーアになんの恨みがあるといった苦情は受け付けません。確かに苦手な女優ではありますがね•••。

そこら辺を引っくるめても、本作が素晴らしいことに変わりはない‼︎
タケオ

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