フライ

アイランドのフライのネタバレレビュー・内容・結末

アイランド(2005年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

クローンを扱った中々秀逸なストーリーだが、アクションシーンの凄まじさもありかなり楽しめるSFアクション映画。
基本重要なネタバレはしてないですが、観てない人で興味ある人は、以下は一切読まない方がいいです!

ユアン・マクレガーと、スカーレット・ヨハンソンの若々しく美しい姿に思わず見とれてしまうが、スティーヴ・ブシェミとジャイモン・フンスーが、滅茶苦茶いい味を出していて作品を盛り上げていたのがとても印象に残った。

2019年地球は汚染され、生き残った者は一部の人間により健康管理から生活リズム、男女の接触に至るまで制約され特殊な施設で単調に生きていたのだが、定期的に抽選、発表される、アイランドと呼ばれる理想の地に行くことを希望にひたすら仕事に励む世界。
ユアン・マクレガーが演じるリンカーンは、少しづつこの世界に疑問を抱くようになり、また女性との接触を禁じられる中、スカーレット・ヨハンソンが演じるジョーダンに興味を持つように。仕事にも不満を持つ様になったリンカーンは立ち入り禁止区域へも出入りする様になる。
そんなある日ジョーダンはアイランドの抽選に当選。その日不吉な夢を見たリンカーンは、立ち入り禁止区域に侵入し、偶然アイランドに行った人が殺されるのを見てしまう。ジョーダンを救いたいリンカーンは、二人で施設を逃げるのだが、クローンを作る装置を見てしまう。その施設は、表向き合法な臓器クローンを作る施設なのだが、実は違法な人体クローンを製造する施設だった。そして二人は追われる身になるのだが。

何年か前から何かと話題になるクローン関連のニュースに、色々と関心を抱いていただけに、当時からとても楽しめた作品だが、近年では遺伝子操作などかなりヤバいニュースを耳にする様になっただけに、尚更興味深く観れた。寧ろ今の世の中を見ると単なる絵空事として本作を見るのは、逆にナンセンスと思えるだけに、色々と想像しながら鑑賞できたのは、尚更楽しめた。
人類が存続し続けた場合、いつか必ずクローン問題は発生すると思えるだけに、本作のクローンを製品として扱う企業の非道さが、昔の奴隷制度や人種差別などにも繋がると思えただけにとても興味深く鑑賞できた。

流石マイケル・ベイ監督と思える圧巻のアクションシーンは素晴らしく、緊張感も増してとても面白かった。特に映像の美しさと、リアルな破壊シーンは見事で最高だった。
ただアクションに重きを置いたせいか、折角ここまで秀逸な設定なのに、序盤でネタバレしすぎていて展開が読めすぎたのは残念だった。出来ればサスペンス要素を強めにすれば尚更面白かった様に感じたのも事実。とは言えリンカーンのクローンとしての設定は中々面白く、徐々に脳が活性化すると言う展開が、無理のある展開を上手く打ち消していて作品として純粋に楽しめたのが良かった。

途中パソコンの不具合を中国製品と言う、時代ならではの批判なども面白かったが、2005年に製作された本作は、2019年設定と言う既に現在時代設定を超えている所も、改めて鑑賞し楽しめる所でも有ると思えた。
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