2020/85
SFディストピア世界。
クローンの人権について。
話の設定はカズオイシグロ原作で映画化もされた『わたしを離さないで』にそっくりだったがこんなにも違う結末。
扱っているテーマは同じ(多分)だが『アイランド』の場合は逃亡劇とメカニックなアクションと終盤の爆発でSFアクションってジャンルになってしまった。
いつも不思議に思う。
人間以外のいきものが人間に抑圧され排除された時、彼ら/彼女らは大体「人間みたいになりたい」って思うらしい。そういうふうに描かれることがよくある。
そのいきものが抱く自我はないのか。人権があるのだとしたら他のいきものにもそのいきもの固有の権利ってものがあるんじゃないか。
人間に憧れを抱くような描かれ方は地球を人間中心的な視点でみている証左のような気がしてならない。
アリエルもテッドもデトロイトの主人公たちもこのクローンも”人間のように”じゃなくて彼らのやり方で生き方を模索すればいいのになあ。
生殺与奪の主権はいつも人間の手の中に。