ぱやぱや

アイランドのぱやぱやのネタバレレビュー・内容・結末

アイランド(2005年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

設定は凄く好きなんだけど、色々辻褄合わなかったり、心情的にどうなの?ってところがあったり、敵もガバガバご都合すぎて、惜しいな…ってなった作品

以下概要

地球が汚染されてシェルターの中で生かされていた生き残りの人類は、テクノロジーによって食べ物・体調・脳波から着るもの・仕事等の全ての情報が管理されていた
シェルター内の人類にとっての目的は、唯一地球に残った最後の楽園「アイランド」へ行くこと
ただし、アイランドには定員があるため、毎週の抽選に当選しなければそこへ行くことはできない
抽選するまでは毎日同じような単純作業の繰り返しをする日々を過ごすことになる
そんな中、主人公(ユアン・マクレガー)はふとしたきっかけから、この生活に疑問を持ち始める
自分達は何故生きているのか?アイランドは本当にあるのか?地球は本当に汚染されているのか?
その謎を探っていくと、そのシェルター施設には恐るべき秘密があった…



以下ネタバレあり感想

クローンものというテーマは、自身が医療系ということもあり、非常に興味のある分野
この映画内で想定されたように、現在、実際にその人の体細胞からその人の代替臓器を作ろうという試みも進んでいる(iPSなど)

しかも監督が大好きなマイケルベイ氏なので、最初は本当にわくわく期待して鑑賞を開始したんだけど…うーん期待ハズレもいいとこだったな…といったところ

まず、あれだけの知能を持っており、脳全体を本人のように再現しているのに、クローン側が今のこの生活に好奇心や疑問を抱かないと思うほうがおかしい
よってあのシェルターの所長であるドクターの見通しは甘すぎる
ここまでの生物学者であれば、動物の学習能力にもう少し詳しいはずだと思う

それに、後半になって、後付けのように、クローンには本物のほうの記憶が同期され始めた!っていうのも唐突すぎる
今までは一応科学的に説得力がありそうな設定で通していたのに(クローンの脳を少年期レベルで成長止めていたら予想より成長して真実に気付いてしまった!という設定)
追跡者とのチェイスが始まってから急に、逃走中のクローンには本物の記憶が転送されてしまい色々なことができるようになる!というご都合能力がついた
それなら流れ的に、主人公と同世代のクローンたちにもその能力が発現されるべきなのに、そうはなってないし
主人公が特別な能力持ちならそれはそれで説明があっても良いのに、それもない
説得力がなかった

それと、従業員の皆が皆、クローンを割り切って平然と切り刻めるのも微妙だなと思う
動物実験でさえこれだけ皆様々な意見を持っている中で、人間なら尚更様々な感情があってもいいはずなのに、スタッフは皆平然としていて、何も感じず談笑している
唯一、助けてくれた技師さんもいたけど、あれもお願いされて渋々…といったところで、別に同情や罪悪感を抱いている様子はなかった
つまりあの施設で働いているひとは、感情を持ち全く人間にしか見えないクローン体と毎日長時間接しつつ会話までありながらも、それらが悲鳴を挙げて切り刻まれていることに対して何も思わない鉄人集団ということになる(しかも無感情に機械的に仕事をしているというより、ゴミ掃除だりーって感じのノリで)
これには強い違和感あり

あとクローンからの臓器摘出やら、母体を殺す際には、騒がれたくないなら麻酔や睡眠薬しっかり投与した上で行うべきだと思った
色々方法あるのに残酷にやりすぎて作為的に感じる

等、納得できないところが多々あって、全然ストーリーに入れなかった



追跡劇でのアクションはあるものの、マイケルベイにしては大人しめの印象を受けた
あと個人的には、マイケルベイ監督作品のアクションはコメディとの合わせ技のほうが魅力的に感じる(バッドボーイズ然り、6アンダーグラウンド然り)
そういう意味でも、めちゃくちゃシリアスなチェイスものの今作は好みではなかった
ここは単純に人それぞれの感じ方だと思うけど(近未来の乗り物とか好きなひとなら好物かも)

唯一よかったなと思えたのは主演のふたりの演技かな?
スカヨハはアクション似合う女優さんだよなと再確認
この映画が興行収入でこけたときにかなり叩かれたらしいが、どう考えてもスカヨハに罪はない気がする

あまりにもSFにしてはガバガバなのに、設定自体はしっかりしていたから(脚本家?のもちこみ企画だったらしい)アクション映画なのか、SFなのかがよく分からない、どちらでもない、中途半端な出来になったのではないかな?と感じた
ぱやぱや

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