ぶみ

大河への道のぶみのレビュー・感想・評価

大河への道(2022年製作の映画)
3.0
道に迷ったら、この映画。

立川志の輔の創作落語「伊能忠敬物語―大河への道―」を原作とし、中西健二監督、中井貴一主演により映像化した歴史ドラマ。
伊能忠敬を主人公とした大河ドラマを作ろうとする市役所職員と、地図の完成前に伊能は亡くなっていたという事実を隠そうとした当時の人々の姿を描く。
主人公を本作品の企画もした中井が演じているほか、松山ケンイチ、北川景子、岸井ゆきの、和田正人、西村まさ彦、平田満、草刈正雄、橋爪功等が登場。
本作品の面白いのは、市役所職員を扱った現代パートと、地図を作成した1800年代を描いた時代劇パートで同じキャストかつ、同じような役回りを与えていること。
そのため、前述のキャストは皆一人二役であり、これが皆見事にハマっている。
何より伊能忠敬を扱っておきながら、本人は登場しないという設定も面白いし、なおかつ地図完成前に亡くなっていたという驚きの事実を扱っているのも歴史に疎い私としては興味深いところ。
時代劇パートが多めであり、基本コミカルに進んでいくが、最後はシリアスにし、しっかりと纏められているのも秀逸。
歴史ドラマを一人二役という奇抜な設定で興味を惹きつけたうえで、地図作成に尽力した人々の足跡を辿ることができる一作。

冥土への道を、皆で測りましょう。
ぶみ

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