「アオイホノオ」じゃないけど、ガイリッチーは群像劇の描き方を全然わかってないよう!。もしくは宇多丸さんの発言を贈りたい、即ち「小細工や辻褄を合わせが映画の面白さじゃねぇ!」。
群像劇の面白さとは何か?。それはパズルが組み合わさることではない。パズル自体、即ち複数登場するキャラをしっかり、いや普通の映画以上に立ったキャラたちを描くところにある。個別のエピソードも十二分に面白いキャラたちが、ついに集まって更なるハーモニーを奏でるところこそ重要なのだ。本作や「スナッチ」も、正直キャラに強烈な魅力がない割に沢山登場するからより薄い。故に、馬鹿が馬鹿やって馬鹿な事態が起こるという正直どうでもいい話になってしまう。集まった時点で話がほとんど終わっちゃうし。馬鹿でも痛快なほどに馬鹿、もしくは完全に壊れちゃってる領域の馬鹿とかだ興味深いのだが…。
これなら群像劇小説ばっかり書いてる成田良悟先生の諸作品のほうが遥かに面白い。opが明らかに「スナッチ」をオマージュしてる「バッカーノ」も面白いが、私のオススメは短編集の「世界の中心 針山さん2」。短編のキャラたちが最後に総集合し、最後は燃えて爽やかに終わる力技の凄さに脱帽。ちなみに各キャラは、都市伝説の幽霊、世界最強の雑魚戦闘員、ゾンビとゾンビ使い、戦隊ヒーロー。これらが組み合わさると聞くだけでワクワクしませんか?。