七沖

ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズの七沖のレビュー・感想・評価

4.0
〝悪を出し抜け 疾走するイノセンスな完全犯罪〟
出し抜き、出し抜かれ、そして運命の悪戯に翻弄される群像劇。緻密な脚本と構成力あってこそなせる技で、これが長編監督デビュー作となるガイ・リッチーはすごい才能の持ち主だと思う。

エディら4人のチンピラグループは賭博で儲けようと企むが、イカサマにあって多額の借金を作ってしまう。隣に住むギャングが麻薬強奪を目論んでいることを知った4人は、彼らの計画を利用して借金を返済しようと考えて…というストーリー。

先に観た『スナッチ』と同じく、いくつかのストーリーが同時並行で進み、終盤で絡み合う。『スナッチ』よりも分かりやすい展開で、その分ストーリーにのめり込めた。

エディら4人のチンピラのやりとりが楽しい。バーでテレビ番組を変えてくれとリクエストして拒否られた時のリアクションは、完全に男子大学生のノリだった。

音楽の選曲センスがいいのはもちろん、台詞もいちいちかっこいい。
「生きてるだけで幸運だ。生きてなきゃ歩けない。その喜びを噛み締めながら歩くんだな」
エディの父親は生き様含めて一番かっこ良かった。
七沖

七沖