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グレイマンのGreenTのレビュー・感想・評価

グレイマン(2022年製作の映画)
3.0
どーせ雰囲気だけのイラつく映画なんだろうと思っていたら、意外と面白かったです。

CIAには、公式に行えない暗殺をする部隊、シエラ・プロジェクトというのがあり、長期服役している囚人からリクルートした若者を訓練している。

このCIAのリクルーター、ドナルド・フィッツロイを演じるのがビリー・ボブ・ソーントン!この人何気にセクシーなんっすよね〜。

シエラ・プロジェクトの6番目のアサシン、シエラ・シックス(ライアン・ゴズリング)は、バンコクで暗殺の任務に着いていたが、殺す標的の相手が自分はシエラ・フォー(4番目のシエラ)だと名乗る。

シエラ・フォーは、CIAが欲しがっている機密の入ったチップをシエラ・シックスに渡す。

で、シエラ・シックスはCIAに追われるハメになる、って話。

話自体はどってことないのですが、ライアン・ゴスリングがなかなかいいんですよ。この人、『ラーズとその彼女』とか『ブルー・ヴァレンタイン』の頃は良かったんだけど、その後なんか意外とつまらない人になってしまったなと思ってて、したらもう全然出て来なくなっちゃったなあ〜とか思ってたら、今回はいいじゃないですか。

この人のギャグ・タイミングがドンピシャで爆笑したところが結構ありました。

で、CIAは、残虐な性格でCIAをクビになったロイド・ハンセンという元捜査官をシエラ・シックス暗殺に駆り出す。

ロイド・ハンセンを演じるのがクリス・エヴァンズなんだけど、こっちもなかなか面白い。すげーサイコなヤツで、しょっちゅうブチキレるんだけど、キレ具合が上手い。あと、趣味悪いシャツ、短いパンツにフラット・シューズって服装や、オールバックにヒゲってのがウケる。

正当なCIA捜査官がダニ・ミランダ(アナ・デ・アルマス)で、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』でのチャーミングな演技を買われたのかな?とも思うけど、こちらはシリアスなキャラ。でもかなりのアクションシーン頑張って演ってた。

あ、そうそう、ドナルド・フィッツロイの姪の役があの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の子役、ジュリア・バターズ!!『ワンス・・・』の頃8歳くらいで、今回12歳くらい?でかくなってた。

けどやっぱりこの娘もタランティーノ・マジック。この映画ではそんなに輝いてない。

あ、あと、CIAのもう1人の女の人、『マトリックス・レザレクションズ』に出てた中国系の人でしょ?この人はオフィスにいるシーンばかりなのでもっと活躍して欲しかったなあ。

あとインド系の人がすごいアクションシーン見せていた。この人種混合もポリコレっぽくなく、自然な感じで良い。

これ監督・脚本があの『アヴェンジャーズ』のルッソ兄弟と聞いて「へー」って思った。MCUのギャグって、すっごい意地悪くて性格悪そ−でキライだったんだけど、こっちは悪くないじゃん。

MCUと違って人も派手にバンバン死ぬわ、血糊もふんだんに使ってるわ、いいですね。

特に銃で撃たれた時の血の跡が、撃たれてすぐは小さいのに、次のシーンではデカくなっているとか、結構細かく意識してやってるところが良い。

カーアクション、ファイトシーン、脱出のシーンなども色んな新しいアイデアがあって「なんだまたかよ!」みたいな既視感もあまりなく。

原作もあって、元々はブラッド・ピット主演で、とか、その後はシャーリーズ・セロンで、とか昔から映画化の話があった本らしい。

しかしiMDbなどでは意外と評価低くて、つか、悪くはないんだけど、そんな盛り上がってない。それは、「ネフリ制作だからこんなもんでしょ」的な評価らしい。

「過去のスパイ映画のパクリばっかり」みたいなこと言ってる人もいたけど、私個人としては、『007』亡き今(って言っていいのかわからんが)、「イマドキのスパイ映画」をすごい上手にやってたと思う。

それがライアン・ゴズリングとクリス・エヴァンズの頑張りのおかげだと思う。この2人がハマってなかったらすげー歯が浮く感じになってたと思うもん。
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