一人旅

スランバーランドの一人旅のレビュー・感想・評価

スランバーランド(2022年製作の映画)
5.0
フランシス・ローレンス監督作。

1905年から1914年にかけて二誌で連載されたアメリカの漫画家:ウィンザー・マッケイによるコミック作品「夢の国のリトル・ニモ」をSF映画を十八番とするフランシス・ローレンス監督が製作も兼ねて映画化したNetflixオリジナル映画最新作で、最愛の父親を亡くした少女の奇想天外な冒険の顛末を活写します。

灯台守の父親と暮らしている11歳の少女ニモが、水難事故による父親の突然の死をきっかけに都会で暮らす叔父のもとに身を寄せることになり、癒えない悲しみに暮れる中、夢の中に現れた謎の無法者フリップと共に夢の世界“スランバーランド”で奇妙な冒険を繰り広げていく様子を描いたファンタジーアドベンチャーで、願いを叶えるとされる伝説の真珠を探し求める少女&無法者の夢の中の大冒険をイマジネーション溢れるファンタジー映像で描いていきます。

夢の中での冒険を通じた耐え難い現実の克服と新たな人生への歩み出しまでの道のりを、父親を失った未熟な少女の成長物語として描いた王道のファンタジー映画で、『インセプション』(2010)のようにある人物の夢から別の人物の夢へと進入する幻想的で多彩な映像世界&色彩感覚が精緻なCGで表現されていてファンタジー映画の醍醐味を思う存分体感させてくれますし、夢の中では命が吹き込まれて動き出すブタのぬいぐるみ“ピッグ”の愛らしいキャラクターや、真っ黒な巨大イカとして具現化された神出鬼没な“悪夢”のおどろおどろしいビジュアル、無法者フリップを追跡する潜在意識活性局:エージェント・グリーンとの熾烈な追走劇&攻防といったアクションシークエンスも見所となっています。そして、新星マーロー・バークレーが夢と現実を行き来しながら逞しく成長する少女を力いっぱい好演していますし、少女の旅の相棒となる無法者に扮したジェイソン・モモアの奇怪な風貌&パワフルな立ち回りはジャック・スパロウを彷彿させるほどインパクト絶大となっています。
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