Maki

アダム&アダムのMakiのネタバレレビュー・内容・結末

アダム&アダム(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

原題:The Adam Project
鑑賞:Netflix

🛑
🛑
🛑

まるごとネタバレ

🛑
🛑
🛑

🖤2050年、アダム(演:ライアン・レイノルズ)はある目的のため組織を脱走。タイムトラベルで2018年に行くはずが2022年に不時着。そこで12歳の自分(演:ウォーカー・スコーベル)と遭遇。未来からの刺客と戦いながら彼が目指すのは妻ローラ(演:ゾーイ・サルダナ)の救出…というエンタメ。

🖤2020年、アダムの父で科学者ルイス(演:マーク・ラファロ)は事故で世を去った。2022年、少年14歳アダムはまだ父の死を乗り越えていない。母エリー(演:ジェニファー・ガーナー)も息子を支えるため気丈に振舞っているが心の底では哀しみにまみれたままだ。
そこに未来から中年40歳アダムがやってくる。小柄で喘息でいじめられっ子の少年が長身マッチョに成長した自分にウキウキしてるのが可笑しい。

🖤主題は、家族がお互いを思い遣る心。父と子、母と子、夫婦の慈しみの模様だ。磁性粒子加速器、フィックスタイム、パラレル・コンタクト、アダム・プロジェクト、マグシル、DNA認証制御などのSF要素やガジェットが大味でどこか借り物っぽいのも意図的。『スター・ウォーズ』『ターミネーター』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ネタの織り交ぜも、「歴史を改ざんするな」と云いあいながら誰もその不文律を守ろうとしないのも、それらが最重要でないと割り切って観られる。

だから、この映画のクライマックスは「バーで酒に頼る母エリーに語りかける息子アダム」そして「父と息子12歳と息子40歳のトライアングル・キャッチボール」だ。あのときああすればもっと、あのときああ云えばきっと。誰もが後悔を抱えている。この二つのシーンはただ涙がこぼれた。

🖤ラスト。大学の講義でアダムとローラの出逢い=実は再会も素敵

🖤ウォーカー・スコーベル君はとても巧いな、小憎らしさと煩さの徹底っぷりには私でも「ちょっと黙ってて」と○きたくなくなったよ

🖤アメコミ映画ファン視点では、ハルクとエレクトラ夫婦の息子がデッドプールでその妻がガモーラと激強な一家なのも美味しい

🖤余談 藤子・F・不二雄
「タイムトラベル」「タイムパラドックス」「存在の輪」「親殺し」「鶏が先か卵が先か」。日本人には『ドラえもん』体験が基礎知識になった方が多いはず。私もそうだけど、それよりも幼い頃に借りた『藤子・F・不二雄SF短編』の影響が強い。
傑作名作満載のなか最初に衝撃を受けたのは『自分会議』という漫画。一人暮らしの学生の部屋に突然サラリーマン風の男が現れて「僕は君だ」と名乗る。更に未来から更に更にその未来からやってくる自分達が会議を始めるが、その結論は…?。

幼稚園か小1くらいでブっ飛んで以来、ずっと『藤子・F・不二雄SF短編』の虜になっている。素晴らしい紹介記事があるのでご興味のある方はぜひ。

■『自分会議』でさらに深く考える/タイムパラドックスとは何か?
https://note.com/shatoru0619/n/n42d3ed8ecd1d
Maki

Maki