ごろちん

ジャミリャーのごろちんのレビュー・感想・評価

ジャミリャー(1969年製作の映画)
4.0
ジャミラじゃなくてジャミリャー。キリギス映画初鑑賞。

画家になった主人公セイトが少年時代に義姉のジャミリャーと過ごした日々の回顧録。

ジャミリャーの快活な性格が周りの人たちを惹き付ける。ジャミリャーの夫であり、セイトの兄は出征して不在。その間、少年セイトはジャミリャーの用心棒のように振る舞う。そこに一人の復員兵が現れ…。

ベースはモノクロ映像。少年期の記憶を写実したセイトの絵は時折カラーで写し出され、当時抱いた少年の心が鮮やかに蘇る。心の機微を表すシーンでは極力台詞を排しているところも良かった。

カメラワークも優れていて、『怒りのキューバ』を彷彿とさせる圧巻ショットもあった。一点、中央アジアの地平線まで広がる大草原はカラーで見たかったなぁ。。

上映後、筑波大学UIA梶山祐治さんの解説で、「セイトが絵画に目覚めたシーンを映像だけで表現しているところからして、この映画が優れた作品であるかが見て取れる」と述べられていてなるほど〜、と感心した。

とりあえず自分としては冒頭のことが言えただけで満足。
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