ピロロ

ONE PIECE FILM REDのピロロのネタバレレビュー・内容・結末

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ワンピースを全巻読んでいる者としても大満足。

原作厨がadoの音楽の多さから批判する話を見るが、思うに作品を咀嚼出来ていないだけだろう。

確かに序盤はミュージカル映画並みに音楽ばかりが強調されるが楽しめる演出ももちろんある。

例えば『新時代』が流れている際に映る画では麦わらの一味がシャボンディ諸島までに至る道程の島々が映り込み、竜宮城の画画映ったと同時に映像が終わる。頂上戦争から2年後、ルーキー達が時代を一新するワンピースの物語を二分するならここ!!という場面転換に『新時代』という曲を持ってくることも粋な演出に思える。

また、ルフィがウタに向けて放つ技のレパートリーもよく観察すれば主要な敵キャラを葬ってきた技だ。(アーロン→クロコダイル→ルッチ→ドフラミンゴ→カタクリ→カイドウ)

極め付けは今まで不明だった赤髪海賊団の戦闘方法が垣間見えた点。ハウリングガブやハンジョウなど船員同士の位置付けもわかるワンピースファンとしても楽しめた点である。(シャンクスの出自も然り、ここからバギーにも出生に秘密があることは窺える)

エンディングにおける扉絵シリーズの登場人物達のその後が描かれるのも大変よい(ベラミーの帆船作成など)

このように原作勢であっても大変楽しめるあつみがこの作品にはあり、100巻も続き読者層の高齢化がある中、若者がとっつきやすいよう間口(ado)も広げつつ根強いファンにも応える良い作品だったと言える。

ワンピースという漫画作品を土台にして多角的に評価を得た上でコンテンツとして伸ばし、なおかつ映画の演出も落とさず整える。

滅多に見れない芸当を成して得ているのに、斜に構えて表面的に批判する読者を名乗る者はもう一回全巻読み返してほしい。

強いて批判どころを探すならワンピース考察YouTuberも挙げていたが、五老星の部屋の椅子が足りない漫画の誤植がそのまま描かれてしまっている点くらいだ。(些事だ)
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