トーチカ

親不孝通りのトーチカのレビュー・感想・評価

親不孝通り(1958年製作の映画)
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うーん、まぁ、悪くはないけど... あんま好きじゃないな。増村の映画って、ほとんどの登場人物は人間性を剥奪されていて(この映画だと、歌う機械として用意されて、まさに機械のように動く女子大生たちに顕著)、キャラとして動いている感じがする。でも、俺は人間性がない俳優たちの映画は好きで、ブレッソンとかカウリスマキとか大好きなんだが、増村の場合、いつも主人公には特権的にかなり大仰な演技を許してる。これがなんか許せなくなってきた。
あと、色々と言葉で語りすぎ。「アイツを許せない!アイツと同じことをしてやろうと思ってる!」みたいなことを姉に言うシーンで、いやそんなんいちいち言わなくても映画見てれば分かるんですが...と思って急激に冷めた。増村はこういうところがある。俳優に内面や行動原理を喋らしすぎ。それが笑えるときもあるけど、川口浩の演技は寒いので心が映画から離れていった。
俺は川口浩のことが生理的に好きじゃないので、川口浩が出てくる増村映画好みでない。野添ひとみは良かった。

増村の映画15本見てるし、たまに無性に増村見たくなるし、まあ好きなんだと思うが、でもなんかあんま偏愛出来ないな。
ラストも、良いラストではあったけど、そうなるだろうなっていうラストだし、別に驚くようなことはない。増村の映画見てて、演出とかに驚いたときはあるけど、話に驚いたり心から感動したりしたことってないな。
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