くう

渇水のくうのレビュー・感想・評価

渇水(2023年製作の映画)
3.6
空気も乾いているけれど、一番乾いていたのはきっと愛なのね……。

水道料金の滞納者を家庭訪問し、払わない対象の家を停水する。そういう仕事をしている水道局員を生田斗真が演じる。心の変化を描く人間物語。


太陽も空気も無料なのになぜ水は有料なのか。そう言われると考えてしまう。

当然、各家庭の水道から水が出てくるようにするまでに多くの人員と手間と時間とお金がかかっているからだと思うのだけど。


元は空気と同じように天から恵まれた自然の一つであるはずなのにね。


水道は最後のライフライン。そう分かっているから水道代だけ払わない人たちがいるなんて、初めて知った。


そんな大人の犠牲になる子どもたち。ここにも「誰もしらない」子どもたちがいる。


主人公が取った行動はファンタジーだけれど、潤したかったのは心の方だったのだと理解はできる。


親よ。子ども捨てるな。

他のユーザーの感想・評価

ワンコ

ワンコの感想・評価

3.4
【なんか変な感じ】

ずいぶん昔のことになるが、神職の資格を取る際に滝行をやるのだけれども、その時は、真夏というか盛夏というか、とにかく猛暑で、日照りで、その上、更に日本一暑かった地域としてニュースにも取り上げられた場所で、当然、渇水もしてて、まあ、当然だけれども、滝もものすごく水量が少なかったから……。
変だよ……。

ふと思ったんだけれども、生活保護も2段階にして、一つは現在行われている生活保護そのままで、もうひとつは、ガス電気水道は一定期間は止めません的な、そして、条件はハローワークに特定の頻度以上で通って仕事を見つける努力を例えば半年から一年は怠らず続けるとか、そんなんしたらどうかなあなんて考えてしまうくらい、退屈な映画だった。

映画だとわかっちゃいるが、姉妹がかわいそう。
きよ坊

きよ坊の感想・評価

2.9
「怪物」は少年2人、「渇水」は姉妹少女、ラストの感触はどちらも悲壮感を感じないものになっているが、似て非なるもの。
本作は原作を改変、原作通りのラストも観なければ、少女の苦しみに近づけないのではないかな。
Shino

Shinoの感想・評価

3.6
物語には救いがあって欲しいと思うタイプなので
この終わり方は嫌いじゃない

ワンシーン、ワンシーンはいいなと思うところもあり。
でもつながって観ると、若干ぼやっとした印象が残ってる。

こういうふうに、現実にある問題を改めて突きつけられる作品は大事だと思う。
y

yの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

あの短編をどう映画にしたのか気になって、公開してすぐの大雨の日に観に行きました。
原作に十分に沿っていながらも、そこでは語られていないエピソードや人物がしっかりと登場していて、何よりも、原作の根底に流れている作者の社会や境遇や様々なものへの恨みのようなものは排除されていて、芥川賞の選考委員の誰かが明らかに嫌悪のようなものを露にした残酷なラストには、アンチテーゼとは言えないまでも、監督の価値観によって脚色されていて個人的にはこのラストがすごく好みなんだけど、河林満氏が生きていてこれを観たらどんなふうに思うんだろうとは思いました。
フィルムカメラの質感が心地よかった
もう少し夏のカラカラ陽気で見たかった気もします 途中若干中だるみ ただいるだけで存在感のある磯村勇斗良かったです
とーか

とーかの感想・評価

3.0
水を止めること流れを止めること

途中はなかなかな展開ながらも、まぁそうかなという終わり
水不足による人間ドラマが見応えありました

支払いが出来ずに滞納してるウシジマくんに出てきそうな人達がいっぱい出てた笑

水道代って2ヶ月に一度でそんなに高くないイメージだけどなぁ

観てるだけで喉が乾くほど暑さが伝わってきた

これに出てる生田斗真と磯村勇斗が好きすぎる

タバコ吸いすぎやろ
ayumik

ayumikの感想・評価

4.3
2023年 劇場鑑賞58本目 記録

公開初日のレイトショー、大雨の影響かスカスカで快適に鑑賞
(ただ、侍JAPANの映画は満席に近い入り)

子役の姉妹が素晴らしすぎる

16mmフィルムでの撮影も良かった
原作は未読で、映画化された内容だけで断言はできないけれど、正直「この物語が芥川賞候補?」と思ってしまった。物語のカギとも言える「水はタダ」という概念(とそれに基づく主人公の行動)に違和感(水道を止めるという対応は別として)しかないし、子役の演技もいまひとつ。期待値を下回る作品だった。
おーこ

おーこの感想・評価

4.0
映画館を出た後、台風の影響でどしゃぶりで水たまりすごかったけど、気持ちよく感じた!生田斗真君の眼が忘れられない。
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くうさんが書いた他の作品のレビュー

コンフィデンシャル:国際共助捜査(2021年製作の映画)

4.0

ギリギリで助かるとか、ギリギリで助からないとか、無情やら、復讐の痛みやら、アクションやらカッコ良さやら!!

ドキドキハラハラのお手本が全部詰まりまくった1本。

ああ本当に面白かった!

前作は観ず
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ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

3.7

私は殺されちゃう方なんだな……っと思いました。


ドラマシリーズは完走、原作は途中まで読んでいます。(今回のエピソード分はわざわざ飛ばして読みました(笑))


連ドラよりも、劇場版の方がずっと楽し
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これは面白かった。いつものポアロさんにトラウマの影。不安定なヒロインに亡霊と切ない思い出。

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しかし「愛される」って難しい。こんな事したら絶対に愛されないに決まっているの
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スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

3.3

冒頭からラストに繋がる構成が見事。1本のサスペンスホラーとして、とてもよく出来ているし面白い。

キャストの不気味さが適材適所。

窪田くん、ほんと、どんな物語に入っていても上手い。







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福田村事件(2023年製作の映画)

4.3

1923年、今からちょうど100年前。9月1日の関東大震災後に、「この国で」起きた虐殺事件をベースとした作品。

見終わってすぐには感想が書けなかった。思い出すと何度も泣きそうになる。言葉を失う。
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