♪ からからに渇いてるから
ちょうだい おまえのしずくを
完成度が高いとか、低いとか。
面白いとか、つまらないとか。
そういう部分ではなく、価値観が共有できない作品でした。
いや、共感できなくても良いんです。
僕は理解できないけど、そういう価値観もあるよね、と思えば問題ないんです。寧ろ、自分と価値観が同じ方が珍しいですからね。多少の違いは当たり前の話です。
でも…本作の場合。
そういう次元の話じゃないんです。“赦せない”レベルなんですよ。
顕著だったのが劇中の台詞。
「太陽と空気と水は無料でいい」って…。
いやいやいやいや。
違いますよね。綺麗な水を手に入れるのがどれだけ大変なことか。完全に平和ボケした台詞ですよね。
あと、金銭を基準にしているのも違います。
綺麗な水を確保するためにはコスト(労力)が掛かるから金銭で判断するのも仕方ないんですが、太陽と空気が当たり前のように存在している…と考えている時点で不遜なんです。
勿論、本作が重要視したのはそこじゃありません。
でもね。大上段に構えて主張を叫ぶのであれば、その主張が正しいかどうかの検証を行い、どうすれば的確に伝わるのか、を吟味してほしいんです。謙虚さを失った主張は表面を撫でて終わっちゃいますよ。
だから、役者さんたちの演技も表面的。
それが顕著に出ていたのがネグレクトされた妹役の子でした。「頑張って脚本を読んでます」感が強いんです。というか「この状況でその歳の子がそんな台詞言うかね?」なんて思う感じなんですよ。
まあ、そんなわけで。
脚本なのか、それとも監督さんの想いなのか。
ちょっと判別は付きませんが、色々と“ダメ”だった作品。最後まで投げずに観賞することは出来たので、映画の基礎力は十分にあると思いますが。うーん。
それにしても。
生田斗真さんが出る映画って微妙なのが多い…のは気のせいでしょうか。