MasaichiYaguchi

灰色の壁 大宮ノトーリアスのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.4
奥野壮さんが映画初主演を果たした本作では、埼玉県大宮市(現さいたま市)を舞台に、暴走族総長から一転して少年刑務所に収監された青年の実話をもとに描いたドラマが、敵対グループの謀略や仲間の裏切りを交えて熱く描かれていく。
1996年、暴力団「青葉会」が支配する大宮周辺には巨大な暴走族が蔓延り、若者たちが抗争を繰り広げていた。
県下一の勢力を誇る「桜神會」の吉田正樹は、その活躍を快く思わない青葉会とその傘下の暴走族「魅死巌」の策略によって少年刑務所に送られてしまう。
塀の外で桜神會のメンバーが次々と青葉会に買収され、妻や娘も脅迫されていることを知った正樹は、青葉会と魅死巌への復讐を誓うが、塀の内にも正樹に何かと絡み、一刻も早く出所したい彼の足を引っ張る者がいて、焦りばかりが募る。
そんな地獄のような環境下でも、正樹が模範囚になるように導いてくれる看守がいて、彼は灰色の壁から抜け出すべく努めていく。
果たして正樹は、自分を陥れた奴らに対し、どう落とし前を付けていくのか?
「仮面ライダージオウ」から暴走ライダーの総長に変身してイメチェンした奥野壮さんの新たな魅力と、ジオウの時は敵対者だった紺野彩夏さんが、正樹を信じて待つ健気な妻さゆりを演じているところも見所のような気がする。