天豆てんまめ

エルム街の悪夢の天豆てんまめのレビュー・感想・評価

エルム街の悪夢(1984年製作の映画)
2.8
幼少時、悪夢を見てうなされることが、度々あった。何者かに追いかけられて、追いかけられて、もう駄目だと思って目を覚ます。そして、姉はこの「エルム街の悪夢」シリーズが大好きだった。

どこかコミカルな雰囲気のフレディだったので「オーメン」や「13日の金曜日」より怖くなかったのだけど、何せ夢の中で殺されると、実際に死んでしまう、っていうのが不可解で、怖かった。

その頃、姉に悪夢を見ると話したことがあった。すると姉はぽつりと「そうね、夢より楽しいことあるよ」と呟いた。

「何?」と聴くと「幽体離脱」「え?」「幽体離脱、、楽しいよ」
姉の眼はやっぱりいつもと同様、真剣で、そして輝いてた。私は7才。姉は17歳。歯向かうには年齢が離れ過ぎていた。

それから、私は毎晩、姉に教わった幽体離脱の練習を行った。幽体離脱の特訓である。経験ありますか?(笑)

姉はかなり自由に幽体離脱をできると言っていた。一度、ふわーっと自分の肉体を離れると、ちょっと上から眠っている自分が見える、家の鏡にはうっすら白い影のようなものが見える。そして家の扉を通り抜け、夜空を飛ぶことができる。かなり高速に飛べるらしい。でも、注意点があるという。あまりに長く家を離れ、時間が空くとなかなか肉体に戻れなくなる、、、戻ってこれないと、そのまま死んじゃうから。

私は思った。まだ僕、一言も幽体離脱したいと言ってないけども、、しかも命がけじゃないか。姉は言った「だから調子に乗り過ぎちゃだめ。コツを教えてあげる」

幽体離脱するコツは、自分が眠りに入る瞬間にガバッと起き上がるというものだ。子供心に「確かに、自分が眠る瞬間わからない。いつも気づくと眠ってる」と思った。それから毎夜、うと~っとすると、ガバッ!!、うと~っと落ちそうになると、ガバッ!!を繰り返し続けた。たしか2週間くらい。はい、結局、諦めました、、、(笑)

あれから長い年月が経ち、最近は悪夢もあまり見ず、金縛りもだいぶ経験していない。でもあの頃を思い出しそうで、「エルム街の悪夢」シリーズもなかなか再見する気にならない。

幽体離脱、、、あれ、本当だったのだろうか。今となってはいい思い出に、、なってはいない(笑)