イチロヲ

エルム街の悪夢のイチロヲのレビュー・感想・評価

エルム街の悪夢(1984年製作の映画)
3.5
悪夢に悩まされている女子高生が、夢の中に登場する殺人鬼が現実世界に干渉していることを察知する。睡眠中に姿を現すサイコキラー「フレディ」のデビュー作。

本作の監督は、心理学の教授から映画監督に転身した人物。そのため、「夢の中という異世界」を利用してホラーを構築させるスタイルは、まさに得意分野。思春期特有の鬱状態を絡ませて「大人は判ってくれない状態」を演出する手法も鮮やかに決まっている。

とはいえ、いつも主人公が寝入ったときの服装で夢の世界に入り込むため、装備を整えて眠った場合はどうなるのかという疑問が湧いてしまう。それに、主人公の身体に外傷が表れているにもかかわらず、周囲が真摯に受け止めないのは、さすがに無理がある。

フレディの奇抜な風貌と突拍子もないスプラッター描写が痛快だが、基本的にはティーンエイジ・ホラーの系統のため、結局は高校生相手に苦戦する姿を見せられてしまう。あんなに爪が長いのに、最後のツメが甘い。お後がよろしいようで。
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