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ハケンアニメ!の7のレビュー・感想・評価

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)
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予習のために原作読み返し。買ったときぶりに2回目。
改めて読んで超いいじゃん、これ。かなり忘れてて新しく楽しんだ。
エンタメ性もあるし、目をつけられるのもわかる。
2部の行城さん然り、アイドル声優たちも、逢里くんと鞠野さんの番外編も。キャラクターをきちんと拾いあげる愛。全部いいとか悪いとかじゃない。そういうとこがすきなんだな。
春から辻村深月再読フェアをやってて、『僕のメジャースプーン』『名前探しの放課後』『氷のくじら』ときて次は『子どもたちは夜と遊ぶ』→『スロウハイツの神様』の予定だったのに。 
この流れだと次は『V.T.R』かな。あれ、重いんだけどな…

原作以上になり得ないのは大前提として、それでも十分よかったよ。
リスペクトもちゃんと感じられたし。
正味2時間におさめなきゃなのはわかってるから。メインどころではないキャラクターもしょーもない出し方はしないところがいい。

チヨダコーキと黒木さん出てなかった!助かる!!!
辻村深月ユニバースでチヨダコーキを迂闊に出すなよ…と思ってたから安堵。
そこに関しては今までの映像化とはちょっと訳が違ってくるから、、
あと具体的に考えたことなかったけど、私の中で佑はチヨダコーキなんだよね、どっちかといえば。

原作では詳しく描かれていないところを膨らませるのがやっぱりいいし、実写化としての正解な気がする。
ビジュアル出たときから、吉岡里帆の斎藤監督はとてもわかる。うん。だったけど、本編でもがんばってたね。メラっとしてるタイプの斎藤監督。
王子はもっともっとわがままこどもなイメージ。どうしたって貫禄が出ちゃう中村倫也。
並澤さんはカーストコンプレックスは抑えめに、原画マンとしてのプロフェッショナルにフォーカス。小野花梨ちゃん、私はおじいちゃん〜のときからだけど、よくぞここまで…ってなっちゃうな。

もとのエピソード全部が全部入れようとしないで、斎藤監督と行城さんに絞って作ったの正解だったと思う。
けど、3組のペアがみんな横並びで描かれてるのがすきだったんだな、わたし。

お仕事ムービーとしてもかなり頑張っているのでは。
唯一、みんながみんな街のあちこちでリアタイしてるのが嘘くせ〜だった。
梶裕貴がサバクのアフレコしとる!がなにげいちばんすげぇ感あったかも。この辺りは実写化の強み。

同枠での対決という構造にした以上、はっきりした勝敗をつけないといけないのはわかるけど…
リデルライトとサバクは同じフィールドで競っているわけではないし、ターゲットもコンセプトも違うのがよかったのに。
そこらへんは原作以上のものを出すのなかなか難しいね。

2次元しか興味ない〜からの発言でもっとサラッと言って香屋子も全然気づかない…のバランスがよかったし、どう考えてもリデルライトは深夜枠だろってのとなぜ逢里くんに眼鏡かけなかったの?はあるけど、それでも、この人はここでは……って考えてるんだよとセルフ脳内フォロー入れるくらいには味方になって観てた。
イケメン風をやる佑おもしろいし、ワイルドバンチ歩きはやっぱりアガるし。

文庫版のカバーと挿絵をCLAMPがやっていて、すき×すきの邂逅が当時めちゃ嬉しかったんだよね。
カタルシスや辻村深月っぽい例のやつとかあってほんとに面白いから、これきっかけでたくさん原作読んでほしいなぁ。
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