作品集

ハケンアニメ!の作品集のレビュー・感想・評価

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)
4.7
やりたいを重視した最高のお仕事映画!

主人公斉藤瞳は
アニメ界の巨匠王子千晴と
土曜夕方5時の枠を共にする。
2人が描く2つのアニメ。
アニメ界の覇権はどちらの手に?と言うお話

最初の方は正直、
アニメ業界の話
しかも結構細かく仕事内容を盛り込んでいるため、
全部理解できているのかなぁと思いながら見てました。

それぞれの仕事の大変さを
なんとなく満遍的に捉えていく感じ。
そこに携わったこともないので共感もない。
例えば、机や道具も自分のものじゃないから本来のパフォーマンスを発揮できない。とか。
確かにそうなのかもなぁと理解はできるけど
共感には至らない。そんな感じでした。

【エクレア】
この映画がエクレアで示していたのは、
忙しさ。
大好きなエクレアが職場にあるのに、
食べようと思った時にはもうみんなが食べている。
電車の中で思い立って買いに行ったら、
お店がギリギリ閉まってしまう。
食べたいものが食べたい時に食べられないほど忙しい。
そんなイメージはあったけど、
これほどまでとは…とゾッとしました。

【誰かの心に残したい】
最初にも言いましたが、
リアルに迫っている作品のため、
理解し難いところも多い作品です。
でも、刺さる人には檄刺さりするんやろうなと個人的に思ってました。

そしたら終盤。
斉藤監督が最終回のプロットを変更するシーン
制作人全員の予定を狂わせ、
自分のやりたいことを貫くためにお願いをする。
その内容は、
【主人公が記憶を取り戻す→主人公が記憶を取り戻さない。】と言うプロット変更

僕が感動したのは変更理由

【帳尻合わせの予定調和のハッピーエンドはいらない。
なんとなく残るものよりも誰かに強烈に残る作品にしたい。】

まさにこの【ハケンアニメ!】と言う作品こそが、
予定調和でない、
監督のやりたいこと観せたいものをたくさん見せることができた作品だったのではないでしょうか。
映画の立ち位置を、
映画の中のアニメで知る。
新しく、とても斬新で、
観てる時はいいな。くらいだけど、
後にジーンといい意味で尾を引く映画だと思いました。

是非一度観てほしい。
アニメの裏側までもっと知りたい!と思える作品でした。
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