りょう

ハケンアニメ!のりょうのレビュー・感想・評価

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)
4.2
仕事で心の余裕なくて全然映画見れてません…ドラマいくつか追いかけるので精一杯な毎日。でも小野花梨さん祝日本アカデミー賞 新人俳優賞受賞ということで!
正直「罠の戦争」見るまで存じ上げなかったのですが、一気にお気に入りになってしまい。個人的にイマイチだった「ある夜、彼女は明け方を想う」にも出てたとは。どんな役だっけ。

派遣じゃなくて覇権なのね、って今さらなのですが。バクマン見た時の感動を思い出したし、普通にリデルとサバク、ちゃんと見てみたいって思うくらい、制作陣の気合いとか思いが表現されていて引き込まれる。

ビジネスシーンで使われる「周りを巻き込む」という耳触りのいい言葉。巻き込むって普通はそんないい文脈で使われないけど、仕事における「周りを巻き込む」ってこういうことだよね、っていう。

特に新人監督がどうやって周りのひとを巻き込めたか。それは自分を信頼してもらう前に、自分が信頼するということ。定量的に表現しないと伝わらない人、感覚や擬音語の方が伝わる人、同じものを見て確認し合わないと伝わらない人。チームにはいろんな人がいて、だからこそ強くなれる。
なんかたまたま「どうする家康」もそんなテーマの回あったな。

あなたがそう言うなら、あなたがそうしたいと言うなら、私はやる。そういう仲間といい仕事ができるって最高ですね。自分は仕事にやりがい求めるタイプじゃないけど、できればこの人となら仕事したいと思える人と仕事したい。

俳優陣も最高でした。
吉岡里帆は「見えない目撃者」や「泣く子はいねぇが」もそうでしたが、幸薄そうな見た目の役もこなせて、とてもいい俳優になった。取材の時はばっちり可愛くなるのがさすが。

柄本佑も嫌なやつだけど、実は芯があって熱いっていうのが段々分かってきて、すごい魅力的だった。エンドロールの後に大事なシーンが待っているのでお見逃しなく。

そして小野花梨さん!アニメゾンの表紙引き受ける場面や、リア充のくだりなどもすごく上手く、これからすごい楽しみな俳優さん。追いかけます。

中村倫也や尾野真千子ももちろん、六角精児、古舘寛治などなど脇を固める俳優陣も素晴らしく、全体的にかなり完成度高い作品でした。

いつも食べているコージーコーナーのエクレアがいちごチョコの特別感。それだけで行城の斎藤監督へのエールを表現するのが上手。斎藤監督は普通にチョコの方を食べたかったと思うけど。その気持ちがうれしいのだ。

宮崎駿や庵野秀明。覇権を取ったアニメ監督はどんなだったろうか。庵野はエヴァのNHKの特集で、その奇才ぶりを発揮してたし、この映画のような分かりやすい熱っぽさはなかった気もするけど。でもあのエヴァの最後を作るのが、やっぱり天才なんだな。

他のユーザーの感想・評価

nana

nanaの感想・評価

4.1
まさかこんなに泣くことになろうとは映画を観る前は想像もしてなかった。

まずもって、1冊の本からあんなに表現豊かな映像作品にさせることに、製作陣の並々ならぬ愛を感じる。
そして、それが作中で描かれることにも繋がっている。

観る側でなく、作る側への憧れが強いからこそ、ひとつひとつの作品に対するスタッフ全員の意気込みが感じられる裏側を見るとそれだけで涙腺が壊れる。
し、その分しっかりと観て想って感じることが使命だとも感じる。

「誰かの心に刺され」

何かを作る時もちろん「たくさんの人に届いてほしい」との思いで作るのだろうけど、誰か1人の胸の奥に届けという気持ちが、結果的に多くの人の心を打つのではないだろうか。
果たして自分はそんな仕事ができてるのか?と終わった後に自問自答。

本は未読ながら、辻村氏の描く男性像が大好きなので、もちろん例外なく演じる柄本佑さん含め行城が大好きだった。

と言うより、登場人物全員好き。
全員が良い物を作りたい一心でぶつかり、切磋琢磨する。嗚呼青春。

演出がところどころアニメーションタッチになってるのもエンタメでありショーでした。

ただ、日本映画のポスターってもうちょっとどうにかならんかな。
いい作品だからこそもう少しいい宣伝をしてもらえるといいなーと個人的には思う。

ちなみに作中でキーアイテムとして描かれるコージーコーナーのエクレアを食べたくて買いに行ったら売り切れてました。悲
244coca

244cocaの感想・評価

3.2
アニメ業界をテーマにストーリーは大根仁の得意とする展開で今の興行として成功する方程式なんだろうと思いました。脇を固める役者さん達が良い仕事をする丁度良い映画でした。
変に傑作でも手を抜いた駄作でもない。
2023-06

サクセスストーリーかと思いきや人間臭い作品でスポ根ものを見ているような熱さを感じた。主人公がモノづくりを通して成長していく様も分かりやすく表現されていて見やすかったし期待していた以上に面白かった。

何気なく見ているアニメの裏側では、この作品のようなドラマが繰り広げられてると思うと普段ながら見していたけど真剣に見なければと思わされた。
モチオ

モチオの感想・評価

4.0
構図上、どうしても新妻エイジと亜城木夢叶が重なるけど、驕らない強者ってやっぱりカッコよくて強いよね🫰
アニメって最強やね🫰
えもたすも最高やね🫰
ス

スの感想・評価

5.0
君は君で良いとアニメが肯定してくれる、その感覚はアニメに限ったことじゃないから僕たちパンピーでも熱量持って観れる、ある意味情熱を持った人間みんなに通ずる話であり、製作陣を美化している点すらぶっちぎって美しく観れる最高の映画じゃないか、誰かに刺され、今じゃなくたって良い
ぺ

ぺの感想・評価

4.5
最終話になるにつれて斎藤監督がどんどん熱くなってそれに合わせて周りも良いように巻き込まれていく後半が特に面白かった!!
吉岡里帆の陰キャ演技も良かった!
サウンドバックほんとに放送してくれんかな〜
かばお

かばおの感想・評価

4.2
この映画からアニメ制作の大変さを学ぶことができた。新人監督としての扱いすらされないまま、アニメは中盤まで行く、、。序盤は斎藤監督が可哀想なシーンを多く感じた。だが!?!?そこから大曇天返しの嵐!!少しずつ監督と制作スタッフ全員の心が通じ合っていく様が心の底から感動した。なんと言っても行城がこんなにも良い男に見えるとはね。最初の方からは考えられないよね。今後は一つ一つのアニメに対して、制作側の情も考えて観てみたいと思う。ここまでReviewを読んでくれてありがとう。感謝してるよ。
ホリエ

ホリエの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

一つの作品を作るのに沢山の大人が信念を持って切磋琢磨している姿に熱くなる。会社との兼ね合いや大人の事情が絡んで思うようなPRや物語の方向性にならないのも歯痒い。誰かの心に残る作品を作ることで誰かだけじゃなく、子供の頃の自分も救おうとしていたのが良かった。
に

にの感想・評価

4.1
急にキレたり泣いたり倒れたり、働くことのストレス的な側面がしっかり描かれている。尾野真千子の纏う他と違う雰囲気もそれを引き立たせてる気がする。
tom

tomの感想・評価

4.0
おもしろかった!アニメの魅力を知らない人は絶対見るべき作品。
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このレビューはネタバレを含みます

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