さわだにわか

モデルのさわだにわかのレビュー・感想・評価

モデル(1980年製作の映画)
4.5
笑えるがなんとなく締まらない気がしたのはワイズマンのドキュメンタリーの基本形から外れた、中核的な「場」や共同体を持たない映画だったからかもしれない。

タイトルも「モデル」というか「広告」って感じで、モデル事務所から一応映画は始まるが、後は結構脈絡なく一口にモデルといっても千差万別なお仕事(華々しくファッションショーに出る人もいればパーツモデルの人も、テレビ局のヤラセ報道の演者になる人もいる)をスケッチしていく。

こういう業界、エンジニア志向のワイズマンは見下してるっつーか興味こそあれあんま真面目に撮る気はないんだろうなぁ。いつになくゆるい分だけ風刺的ユーモアと皮肉が満載だった。

ファッションショーのメイクルームでアジア人のオッサン整体師が仏頂面でふざけまくる光景をダラダラダラダラと延々撮っていて何やってんだよと思うが(ワイズマンに対して)、そのダラダラの最中、突如として意味もなくオッサンの仏頂面にドキューンとズーム。
そこでズーム使うの!?的な衝撃を引きずったまま映画は幕を閉じる。

あの場面、絶対ワイズマン現場で爆笑してたと思う。
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