great兄やん

ヘルドッグスのgreat兄やんのレビュー・感想・評価

ヘルドッグス(2022年製作の映画)
4.7
【一言で言うと】
「“闇”を食らわば皿まで」

[あらすじ]
警官時代に愛する人が殺される事件を止めることができず、その苦悩を抱えながら生きる元警官の兼高昭吾。警察は関東最大のヤクザ組織「東鞘会」への潜入捜査を彼に強要し、データ分析で相性98パーセントと判定された無軌道なヤクザ・室岡秀喜とコンビを組ませる。東鞘会最高幹部の一人でもある土岐勉が率いる東鞘会・神津組に潜り込むことに成功した二人は、抜群のコンビネーションを発揮するが...。

最っ高にゾクゾクする“渋さ”を味わえる138分。間違いなく『グッバイ・クルエル・ワールド』には無かったセンスと面白さを感じましたし、むしろあれと比べてしまうのはかなり失礼なのでは?と思ってしまうくらい。

ストーリーを引き締める“鈍重”な部分とアクションを際立たせる“軽快”な部分の見事なバランス、それに重厚かつ濃密な世界観に雰囲気...そうだよこれだよ、こういうスマートでヘビーな“カッコ良さ”を俺は求めてたんだよ!!!!

とにかくストーリーよりもアクション!!!ってな感じで進むので、ストーリー部分に関しては相関図を追うために頭を駆使する複雑さを感じたが、潜入捜査がいつバレるのかというドキドキ感、そして難しい事などどうでも良くなるくらいアクションがただただ純粋にカッコ良かった。

岡田准一の普段から繰り出すような“真っ当な”アクションとは違い、ドス黒く闇堕ちしたキャラクターを体現するかのような、鈍くのしかかるアクションには最後まで鳥肌が立ちまくりですし、にしてもどんな絶体絶命な状況でも”安心感“というのが半端ないですよねこの人(^◇^;)...

それに登場人物の魅力も濃くて素晴らしかったですし、特に作中最もイカれた“狂犬”っぷりを発揮した坂口健太郎が今作のMVPだと思っている。マジであの役を坂口健太郎にキャスティングした人に最大級の賞賛を送りたいくらい笑。それくらい最高のキャラクターだった。

それからはんにゃの金田や松岡茉優、北村一輝の配役も抜群にハマっていましたし、Miyaviの滲み出る冷徹な会長役も只者じゃない“物々しさ”をも感じましたし...期待半分不安半分な面持ちで臨んだ今作ですが、正直ここまで釘付けになるほど面白い映画だとは思わなかったです(゚o゚;;

とにかく邦画特有の“小綺麗さ”を排除し、徹底したバイオレンスとクライムに挑んだ展開に終始興奮とアブノーマルな“快感”に蹂躙される一本でした!

ストーリーにおけるスピード感も絶妙ですし、特に描くべき所は描いて、省く所は省く、このメリハリを効かせた所が本当に良かった。このメリハリがあるか無いかで作品としての面白さも変わってくるのでね😌...

セリフの聞き取りづらさや人物相関図の複雑さなど、ちょっとした不満点はあるもののそれ以外は本当に良かったしマジで面白かったです!!!

これは個人的な感想ではあるが、今年に観た邦画の中でも確実にベスト10に入るかもですね🤔...