映画好きの柴犬

ヘルドッグスの映画好きの柴犬のレビュー・感想・評価

ヘルドッグス(2022年製作の映画)
3.9
早歩きのリズム

 暴力団トップ(MIYAVI)の握る警察の秘密ファイルを奪取すべく、組織に潜入した元警官・兼高(岡田准一)が、組織の抗争と警察の暗躍の中、組織を上り詰めていく様子をスリリングに描くクライムサスペンス。

 「関ヶ原」「燃えよ剣」に続く原田眞人監督と岡田准一のタッグ。全体の雰囲気は前作「燃えよ剣」に近い。この二人、相性良さそうなので、こういう硬派な作品をもっと作ってほしいし、ヘルドッグスシリーズ続編もありじゃない。

 岡田准一演じる主人公・兼高は終始早歩きなんだけど、演出のリズムもそれ合わせるかのようにパキパキと進んでいく。それが潜入捜査もののヒリヒリ感と、ほとんど岡田准一と一体化したかのような兼高の生き様と呼応し、硬質な緊張感に支配される。アクションも派手さは抑えめながら質実剛健で好感度高い。

 無表情で冷徹な感じが上手くはまったMIYAVIがよかったし、何気に秘書熊沢役の吉原光夫のガタイの良さと劇団四季仕込みの歌声が印象深い。