ホイットモア大統領

ダイ・ハードのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

ダイ・ハード(1988年製作の映画)
4.8
刑事物の、立て籠り系の、
そしてアクション映画の最高傑作!

ニューヨーク市警の一刑事が、完全アウェイの圧倒的不利な状況で、頭脳派テロリスト集団に挑む。
という展開は、今となっては驚きも無いが、原点であるこの作品を越えたものも未だ無いと思われる。

言わずもがなであるが、それはやはりブルース・ウィリス演じるジョン・マクレーンのキャラクターに因るところが大きい!
元特殊部隊でもなんでもない、普通の刑事だからこそ、泥臭く戦うし、ぼやくし、愚痴るし、叫んだりもする。
そして、彼を取り巻くロス市警、FBIが共に無能であるため、彼のそのキャラクター性が引き立てられ、応援したくなるのだ!

もちろん、悪役ハンス・グルーバーのカリスマ性や、カールの凶暴性、アル・パウエル巡査の相棒感もこの映画を多彩なものとしている。

あとはやはり吹替え!故野沢那智の情けない声が、マクレーンのキャラを引き立てている。
玄田哲章=シュワちゃんと同じく、野沢那智=ジョン・マクレーンなのだ。

また、キャラクター面だけでなく、ストーリーに関しても、テロリストとの頭脳戦や、彼らがどのようにして目的を達成させようとするのか?など、先の読めない展開でハラハラさせ、その後の伏線回収の綺麗さにアッと言わせてくれる。
裸足やソーンバーグの行動、ヘリポートのくだりなどがそれに当たる。

脚本は『コマンドー』のスティーヴン・E・デ・スーザ。
監督は『プレデター』や『レッドオクトーバーを追え』のジョン・マクティアナン。
制作・音楽に『リーサル・ウェポン』組(ジョエル・シルバーにマイケル・ケイメン!)
撮影に『スピード』のヤン・デ・ボン。
編集はフランク・J・ユリオステ… 誰やねん!?てな人だが、一連のレニー・ハーリン作品に『ロボコップ』『エグゼクティブ・デシジョン』を手掛けている。

もうお分かりだと思うが、これだけ一流のスタッフが揃えば、面白い作品が出来上がるのも当たり前!

俺のクリスマス・ムービーは、
『ホーム・アローン』でも
『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』でもなく、
『ダイ・ハード』である!