けーはち

機動戦士Zガンダム -星を継ぐ者-のけーはちのレビュー・感想・評価

3.5
1985~1986年のTVシリーズ『機動戦士Zガンダム』を劇場版3部作に再編集。Z自体は今でこそ1stガンダムの続編として評価が安定し名作扱いだが、連邦軍の内紛に始まり、主人公カミーユの精神崩壊に終わる、混沌と悲劇を極める作風。そこをやや視点を変えて健やかな作風に練り直すべく、A New Translation(新訳)として全面新規描き直し──のはずだったのが、予算都合で出来ず、結局旧作画を使い回し20年の時を経て新旧の絵が混在する混沌とした画ヅラに。また元々情報量の多い作品が、劇場版の尺に収める編集のために、より高密度になった。とはいえ、旧作画もクリンナップされており新作カットの出来栄えは言うまでもなく光る。本作では1st主人公アムロによる輸送機特攻→クワトロ(シャア)との運命の再会がラストシーンで、気合の入った新作カットで素晴らしい余韻を示した。各種ガンダムゲームなどの周縁からある程度情報を得たうえで、原典に当たりたいと思っている層にはとっつきの良い作品だと思う。