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恋は光のshunのレビュー・感想・評価

恋は光(2022年製作の映画)
3.7
最速プレミア試写会にて観てきました。以下ネタバレなしです。
「殺さない彼と死なない彼女」の小林啓一監督の新作ということで当たって嬉しかったです。

やっぱりこの監督の温かい雰囲気が好き。この人は限りなくリアルな世界を舞台に独特のファンタジーを作り出すからみんなが惹かれるんだろうなあと改めて思いました。

ロケは岡山で行われたらしく、古い町並みや何気ない田舎の風景がなんだか落ち着くし衣装は原色を使わずパステルカラーで優しい。

メインキャストは四人。神尾楓珠は多分初見です。古風な話し方とかはちょっとやりすぎかなとも思ったけど(あまりにもあからさまに言葉に詰まりすぎる)他の出演作観てみたいですね。

あまり期待していなかった西野七瀬さん、心配無用だったなあ。7年前の「初森ベマーズ」の演技が個人的に苦手でそのイメージが中々抜けないのですがそりゃ上達するか。この方は口周りがあまり動かないので感情の幅が大きい役はあまり似合わないと思うのですが、今回のキャラは彼女にピッタリだったと思う。
この役の何処か「普通にいそうな雰囲気」と内に秘めた強さがとても上手に表現されてた。主人公をイジるコミカルな一面の自然さも印象的です。

平祐奈さんはちゃんと意識して観たのは初めてです。「青空エール」も「きょうのキラ君」も観たはずだけど覚えてないなあ。どちらも今回と同じくヒロインじゃなかったと思うけどなんかこういう役が合う。

そして馬場ふみか。この人グラビアアイドル出身かと思ったら女優ずっとやってるんですね。
とてもいい役だったしかっこいい女性で普通に憧れちゃう。もっと女優の活動見てみたいと思った。

メイン三人の女性の関係がとても好き。最近よくある恋愛映画における女性の連帯だけど無理矢理感はないしそれぞれ自分の生き方についてしっかり考えを持っていて仲の良さも見てて楽しい。

まあ正直キャスティング見た時点で物語のラストの展開は分かってしまうのだけど色々と考えさせられるストーリーでした。
試写会後に監督のトークもありましたがとても丁寧な方でいい意味で「普通な」おじさんという感じで驚いた。
もっとこの人の撮る世界を見ていたくなる。
劇中歌はZooey DeschanelのデュオShe & Himの曲なんですが無理を言って使用させてもらったと言っていた。「(500)日のサマー」からの影響についても話していましたが2010年以降の恋愛映画って何かしらこの映画の影響受けてんじゃないか?って最近よく思うくらいによく名前を聞くなあ。

ちなみに多分2年ぶりくらいにユーロスペースで映画観たんですがやっぱりこの映画館好きだなと思った。
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