サメ映画に見せかけて、サメが殆ど出てこないサメ詐欺映画。
話としては、海沿いのコテージでバカンスを楽しんでた熟年夫妻が暴風雨に遭遇。コテージごと海に流される、というもの。
観た人(これ書いてる時点で5人)は全員同意してくれると思うのだが、サメを石で殴り殺すヒロインのオバサンに全く感情移入できない。
ヒステリー持ちで自己中。せっかくベトナム旅行してるのに、ずーっと部屋でスマホ使ってチャットしてるし。
旦那と観光地に繰り出しても、
ガイド「これ、ベトナム戦争の英雄となった強い女性の像なんですよー(ニッコリ)」
オバサン「あ、そう……(無関心)」
てめー、せっかくベトナム来てんだから、もちっとマトモに反応しろよ!
俺なんてベトナム行ったときは、ベトコンの潜んでた地下壕を匍匐前進で何十メートルも行軍したよ!?
観光いったら全身全霊を込めて元を取るべきでしょ。観光に限らず、しじみ汁の具は残らず掻き出さないと気がすまないほどに貧乏性の俺からすると、観光旅行を舐めたオバサンの態度に、すでに立腹。グエンさんに謝れ!
だいたい、この作品の舞台がベトナムである必然性ないやん。単に撮影班がベトナム行きたかっただけちゃうの?
そんな無駄なシーンを30分くらい見せられて、ようやく暴風雨が襲来。コテージが沖に流される。
イメージとしてはこんな感じ↓
/\ ~
|田│~
⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒
≧゚)))><
もの凄い暴風雨に見舞われてるのに、都合よくコテージだけ破壊されずに残っているのどうなん? イナバ製ですかね。
まぁそんな感じで家ごと漂流してたら、再びオバサンのヒステリーが始まる。
オバサン「あなたなんとかしてよ!」
オッサン「まず落ち着くんだ! 水を探そう」
オバサン「とにかく泳いで岸に向かいましょ!」
オッサン「周り全部海なのに、どっちに行けばいいんだよ!」
オッサン、足を怪我してるってのに、畳み掛けるように突っかかってくるオバサン。うざすぎるぜ……。
しかも二人とも、かなりのバカ。
特に俺が「おいっ!!」とツッコミたくなったのが、遠くに飛行機の機影を見て、サインを送ろうとするシーン。
煙を出したら気付いてくれるんじゃないか、と思い立つカップル。
「そうだ、このペットボトルで光を集めて、煙を出そう!」
「よし、燃えるものを集めましょ!」
「うわー、燃えすぎた~!!!!!」
「コテージが燃えちゃう~!!!!!」
というわけで、見事にコテージは全焼。二人は畳一枚くらいの板の上で漂流するハメに。いやいや、君たち、チンパンジーか何かですかね……。
もう一つ、後半30分くらいでようやくサメが登場するのだが、最初の襲撃もヒドい。
板にへばりついてる二人に襲いかかるサメの群れ。
足を怪我してるオッサン、オバサンに向かって
「漕げ、漕いでくれ!!」
と必死の形相。しかしオバサン……。
……加齢のためか、漕いでるうちに眠り込んでしまう。
ハッ!
……気付いたらサメはいなかった。
えええええ!? サメ、あきらめ良すぎじゃない? 寝てる間にソッと立ち去るサメ、ジェントルマンすぎないか!?
……とまぁ、全編においてイライラする展開だらけだった本作。
だいたいこのジャケットのサメ、いくらなんでも大きすぎやろ。下手すると、鼻の穴に人間が入るくらい大きいって、おかしいやろ。ゼットンかよ。
しかも実際には結構ショボくて、ヒロインのオバサンに石で殴り殺されるし……。
とにかく「三度の飯よりサメが好き」な人にとってのみ、★5の作品でした。
(おしまい)