ドキュメンタリーは映像の強度が強い。
なんてったって、目の前で行われていることは嘘偽りのない事実なのですから。
母の元気な姿から、痴呆が始まって、脳梗塞で入院して、寝たきりになって、じょじょに弱っていく姿には自分のばあちゃんの姿も重なって、何度涙が流れただろう。
元気なときには思いもつかない、意識はあるのにマヒで体は動かせず寝たきりで、毎日見舞いに来てくれる夫にはなにもしてやれない母の気持ちはどんなにもどかしいのだろうと想像する。
老いから目をそらさず、せめて寝たきりになって人に迷惑をかけないためにも、今から体を鍛えることが大事だし、ボケないためにも活字を読む。
そんな基本的なことを劇場から出て現実に戻された自分は考えるのでした。
でも、この作品はリアルだから現実に引き戻されるというよりも、作品と自分の人生は地続きだなと感じました。
素敵な夫婦であり家族でした。