NABE

ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~のNABEのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

母親の認知症の症状が徐々に進み、毎朝起きがけの感情の起伏が激しくなる。「みんな私のこと邪魔にして!包丁持って来て、私死ぬから!」と騒ぎ立てる。いつものことと聞き流していた父親が「みんなこんなに良くしてくれて、感謝して生きないとね」それでも喚き散らす母に「そんなに死にたいなら死ね!」と声を荒げる。「そんなに怒らなくていいじゃない!」と反論する母親。そんな二人の遣り取りを録り続ける娘。

認知症だけでも大変なのに、母親は今度は脳梗塞を起こして入院してしまう。母親の症状が進み寝たきりで、反応も薄くなる中、シルバーカーを押して、お見舞いに通い続ける父親。入院先が変わるタイミングで一度、家に連れて行って貰う計画が。会話も出来ず、反応も軽く頷く程度。それが、家に到着した時と、家を離れる時に感情を露にして泣き出す。今、自分が何処にいるのかが判ったのだ。

早く良くなってまた家に帰れるようにとの家族の願いも虚しく、遂に最期の時が。父親の母親への愛情溢れる言葉に、涙が溢れて止まりません。葬儀の後、家に帰るタクシーの中、父親は自分の事より娘の心配をします。遺骨を抱いた娘は家に着くと「おかえりお母さん」と声を掛ける。

無事に100歳を迎えた父親。母親が入院中に語りかけていた約束を果たすべく、父親はとある場所に向かう。
NABE

NABE