みどり

サバカン SABAKANのみどりのレビュー・感想・評価

サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)
4.0
シネマ4

舞台は80年代の長崎
私が生まれるすこし前のお話。

夫婦喧嘩は多いが愛情深い
世界一恐ろしい母に頭があがらない久田と
家が貧しく、クラスメイトからは避けられいつも笑いものにされている竹本

なりゆきでぼろぼろの家を見せたとき
笑ったりしなかった久田に打ち明けた

「イルカ見たくない?」

半ば強引にブーメラン島を目指すことになるのだけれど
海では溺れるし、旅の相棒の自転車はぼろぼろ。不良に絡まれもう大変。
でも綺麗なお姉さんとの出会いと海の幸のおいしさを知ってこんな日も悪くないなって思う
スムーズじゃない旅こそ覚えているもので。
この日をきっかけにふたりはよく遊ぶようになる
…けれど大事な大事な友達だと、信じて疑わなかったのに
久ちゃんは自分のことを友達だと思っているかわからないから…竹ちゃんが言っていたことを聞いて胸が苦しくなる
笑ったり泣いたり、濃密な1日を共にして、自分だけが友達だと思っていたなんて、悲しすぎたから。

でもだんだんと、
悔しさよりも怒りが勝ってしまって
複雑で顔も見れずにいたら
遠く離れてしまうことになって
あの日作ってくれたサバカン寿司を思い出しながら
走って届けた袋いっぱいのサバの缶詰
友達って、わざわざ宣言なんてしなくても自然とそうなっているものなのだよねと思いながら
ふたりを取り巻く大人たちの優しさに目頭が熱くなった
そっとお金をポケットに入れて、二人乗りを怒るわけでもなく、これなら痛くないからって座る場所を作ってくれて、一生懸命自転車を押してくれるそんなお父さんの姿が大好き。

またね。またね。
さよならじゃなくて、またね 。
2人が繰り返す「またね」のラリー
言い続けていたらまた会えるのかも。

やりたかったこと、勧められたこと、
方向は違えど夢を叶えてた2人に拍手

どこに行くか、よりも誰と行くか、なのだと思う…
結構大事。

サバカン寿司がコラボしていたとかでパンフは劇場では販売せず、一部スシローさんのみでの販売という頑なにこだわる姿勢になんかきらいじゃないな〜と笑いました。
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