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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのatyのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

やばい(やばい(やばい))

友人の薦めで鑑賞したが、最高すぎる映画。最初の爆速会話のシーンから最後の1コマまで1秒たりとも目が離せない、緩急最大脳味噌爆発麻薬級映画。エンターテイメントとしての映画の役割をこれでもかと詰め込んでいて、感動冷めやらず震えが止まらない。ここまで面白い映画は個人的にはTENETぶり。

ノーラン的なぶっ飛び加減なのに、それに気付かせないような、あまりにも一般アジア的な顔立ちの俳優陣たちが、これでもかと暴れ回る。最初のワクワクが半端ない。映画内特有の言語は難しいけれど、映像化が素晴らしく、体感的に理解できることも多く、そういった点でも脳汁映画。

音楽に合わせてテキストを出すタイミングがバッチリで、デザイン面でもかなり楽しめる。完全にミュートした5分間があったりと、映画を脱構築してる感がすごい。

Everythingを知ることの恐ろしさと、Everywhereにいることの寂しさを感じて、今自分自身がここにいることを大事にしようと思った。最後の解決方法が「愛」なのも素晴らしい。暴力は憎しみを生むけれど、愛は少なくとも憎しみは生まない。

一方で、ここで起きた壮大な出来事がほんの一瞬間であったことから、夢や幻の類と捉えることもできる。1つの家族の危機を描いた作品でもある。
そういった風に見ると、娘が連れて帰ってくるのは彼女・突然叩きつけられる夫との離婚問題・父親の介護・自営業の店の相続と、これだけの問題の中には、あれだけの壮大な出来事が詰まっているのだと読み取ることもできる。
全ての物事には宇宙が詰まっている。

覚えておきたいセリフも多かった。覚えるために繰り返しみたい作品。「何もできない世界線だからこそ、なんでもインストールできる」(曖昧です)

忘れてはならないのは、名作への沢山のオマージュ。『2001年宇宙の旅』を初め、俳優自身の若い頃の作品をオマージュする場面も。思わず笑ってしまう要素も盛り沢山。

全ての俳優、全ての音楽、全てのシーン、それこそeverythingが素晴らしい傑作映画。こんな映画を見れて、今日はいい日だ。
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