10円様

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスの10円様のレビュー・感想・評価

3.8
 アカデミー賞のシナジー効果っていうか、どちらかと言うとハロー効果なんでしょうが面白く感じました😊
 マルチバースの構造の説明を極力最小限て行えたのはやっぱりMCUのおかげで、製作者側もマルチバースの認知度を見越したんだと思います。その分物語に時間を割けたので、セコいけど上手い作り方でしたね!
 MCUでもそうなんだけど、マルチバースってやっぱりよく分からないです。それは本作でもそうで、決して理解し易いわけではありません。割と「マトリックス」的要素もあったね。でも演出が凄くユーモアがあり、何となくノリで付いて行けるエネルギーはありました。
 キャストもとても素晴らしく、ミシェルヨーのくたびれた中年女性ながらも、どこか少女のようなところがあるオーラが良かったです。流石にグリーンディスティニーの頃に比べると派手なアクションはなくなっていますが、今回演じた「戦う母」はとても好印象でした。
 キーホイクァン、初見はマジでジャッキーチェンに見えた😅でもだんだん「インディジョーンズ」とか「グーニーズ」の彼を思い出してきました。今回助演でノミネートされたわけですが、ミシェルヨーとのダブル主演で良いんじゃないかな?と思いましたね。本作では美味しいところを最も持っていった人です。
 ジェイミーリーカーチスもサプライズノミネートされてましたね〜😊最初はあまり印象に残らない見掛け倒しキャラかと思いましたが、物語が進むに連れてどんどんジェイミーリーになって行きます。まあある意味ヒロイン的な立ち位置だったりして。
 ステファニースーは知らない役者でした。まだそんな映画界では活躍していないようで、これを皮切りに次々オファーが来る事は間違いないですね。最初はラッパー系のミュージシャンかと思いました。そんなオーラが凄いし、あの派手で珍妙な衣装を着こなしてるんですから。

 果たしてこの作品がアカデミー作品賞に相応しいか?と言われれば、どうなのかな?と思うところはありますが、私は本作が受賞すると予想したいと思います。
 まずやっぱり、映画にダイバーシティが盛り込まれていて協会好みではありますよね。中国系キャスト、レズビアンとか。それを単にドラマにするのではなく、オリジナルのSFに置いた点が評価されるべきかも。

 もともと「フェイブルマンズ」と「イニシェリン島の精霊」の戦いで「エブエブ」が入る隙はあるのかな?って思ってましたが、先の2作品はどちらかと言えばパーソナルな映画なんですよね。特にフェイブルマンズなんてスピルバーグの自伝だし。反して「エブエブ」はMCUが作り上げたマルチバースに独自の解釈で戦いを挑む意欲的作品と取れますよね。協会の質も変化してきており、そろそろA24の映画が受賞しても良い頃かと思いました。
 あとはウクライナ問題なんかで世界が落ち込んだ年。パーソナルな作品や暗い作品よりも、ユーモアで世界を盛り上げようとする姿勢が映画には求められるんですよね。これまでのアカデミー賞作品の中では毛並みは違いますが、何となく見てみたいんですよね。名前が連なってるところを😊
10円様

10円様