スズキ

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのスズキのレビュー・感想・評価

2.8
めちゃくちゃつまんなかった。
そもそも観に来た理由としては、昨年一番面白かった映画はどの角度から考えても『RRR』なのに、アカデミー賞ではこちらの方が圧倒的に人気だったので、その理由を知りたかったから。

このままだと、罵詈雑言並べたくなるから、無理にでも良いところを探したい。

まず好きな香港映画のパロディがあったこと。カンフー映画とかのパロディもあったし、散りばめられた元ネタ映画ファンから票を獲得しやすい仕組みはあったかも。あとアジア人枠で白人の寛容さを示すための道具として使われたとかなのかな。こっちは評価してあげたからインドは無視、みたいな。完全に憶測で書いてるから後で調べる。

あとゴージャスなシーンがちゃんとゴージャスだった。やってることは福田雄一レベルなんだけど、そこのメリハリは効いてたと思う。

唯一の見せ場は、岩のシーンかな。あそこだけはまだまともに観ていられた。

褒められるのは、その辺りかな…。

酷い点としては、
局部にモザイクとかゲロとかか面白いものとして映ってる。あれを面白がれる才能は自分にはない。別に下ネタが悪いわけでは全くなくて、その下ネタのレベルの話をしています。誰も準備してない会議で開始5分で出たネタだけを取り出した感じ。

マルチバースが複雑で途中で理解する必要がないことに気づいたんだけど、もっと早く教えて欲しかった。カオスといえば解決する。便利な言葉だな。

象徴的なアイテムっぽく宣伝で使われてる目玉の意味がよくわからなかった。

ラストも結局は一族の絆みたいな話になるんかい。この時代にまさかと唖然としてしまった。今さらあんなものを泣かせの道具に使うなよ。あれに泣くのは自らの差別意識に無自覚なバカだけなのよ。

A24の映画は基本的に幼稚なんだけど、本作もやっぱりそう。変なことをすると能力が使えるようになるんだけど、その「変」のあり方が最初から最後までしんどい。小学生の発想。

予算をかけてどうしょうもない家族の家族愛を描かれても、という気分になる。ずっと刺激は強いから、そこを楽しめる人が絶賛してるんですかね。

一番酷かったのは娘に対する親の姿勢の描き方。冒頭に娘が同性の恋人を連れてきて母が認めない描写がでてくるのだけど、言うまでもなく、同性愛は異性愛者が認めるものではない。変化を描くために最初の設定にしたのだとしたら、最後は私が認めるとかジャッジすることではなかった、という、セリフを言わせないといけないのに。その辺も理解できなかった。

結局は、税金をちゃんと納められない人が周りに迷惑かけまくりながら家族仲良しになるって話なので、なんやそれなんですよね。
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