カルダモン

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのカルダモンのレビュー・感想・評価

3.0
この日、私は天気のよい午前中にレンガとタイルで庭の花壇を作っており、そのおかげでたっぷりと花粉を吸収し、見事に目と鼻がズルズルの状態になっていた(マスクをして花粉の薬も飲んだのに貫通してくる)。結論、そんなコンディションで観る映画じゃなかった。申し訳ないほどに集中力が持続せず、感情移入ができず、話もまったく理解できなかった。鼻かんで出直します。

人には相談しづらい家庭や個人の抱える身近な問題を、最大級のイマジネーションと工夫で荒唐無稽なSF曼荼羅として大袈裟に展開、着地は真っ当に。

途絶えた集中力だと納得しにくい点はいくつかあり、一番はやっぱりコインランドリー経営と家庭環境が立ち行かないエブリンの人生で。唐突にやってきた別宇宙の旦那からお前の人生は全宇宙で最も最低でドン底だ!みたいなことを言われるんだけど、そんな風には見えなかったよね。ベーグル集団の目的だとか、バースジャンプの仕組み、コインランドリーのエブリンが選ばれた理由などなど劇中でちゃんと説明があったような気がするんだけど、頭の中からすっぽ抜けているor鼻水として流れ出ていてなにがなにやら。満席の映画館でクシャミをぶちかますような局面こそなかったものの、溢れ出る汁気でバースジャンプ出来そうでした。隣に座っていた女性はドン引きするほどに号泣していて、私とは別の理由で汁気に溺れておりましたが、ごめんよ、あなたの泣いている理由がまったくわからない。

そもそもマルチバースという概念に乗り切れない私(他の宇宙でも親子なのはなぜ?)ですが、この映画から溢れ出ている無限の愛情は感じていて。家族、夫婦、親子、そしてどこか別の宇宙の自分に対して、下品でサイケな優しい映画でした。なによりヨーとクァンのアクションが最高のご馳走。


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うーん。見直してみたけどやはり合わなかった。
花粉で朦朧としていたせいかと思っていたけど初見時と大きな感情の変化はなく。むしろ確信に変わっちゃった