EugeneHashimoto

荒れ野のEugeneHashimotoのネタバレレビュー・内容・結末

荒れ野(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

スペインのホラーはいいな……。ウサギに至るまで名役者(屠殺される仲間の断末魔の叫びを聞いているところとか)。ディエゴ役はあの子以外考えられなかっただろうな。純真無垢で、悪知恵とか働かなそうで、だからこそとんでもないことをやらかすかもしれないかんじ。

派手なことは起こらないけど、扉を開けたら結界の印がもたれかかっていて腰を抜かすところとか、誕生日に母からもらった糸電話の片っぽが転がってくるところとか、あ、これから最悪な状況になるな、という予感を存分に感じさせててよかった。

あのオバケは希死念慮の具現化みたいな存在なのかと思った。オバケが見えない状態で引っ張って、見るより先に見られていることを強く印象づける演出もよかった。見るのも怖いが見られるのはもっと怖いから(あんまり関連性ないけど《グッドナイト・マミー》(原題《Ich seh, Ich seh(見てるよ見てるよ)》)を思い出した)。

カメラの動きが煮え切らないというか粗いのが気になったのと、劇伴はもうちょっと叙情的でよかったんじゃないかな(伯母のくだりとか、とくに陳腐に感じた)、というくらいが不満。

えらい評価が低いけれども私は好きです。
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