みりお

すずめの戸締まりのみりおのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.5
なんと一昨日出来上がったばかりという、新海誠の新作🌟
キャスト登壇の完成披露試写会にて鑑賞🥳

新海誠監督の作品は、『君の名は』も『天気の子』も世間の大騒ぎほどにはハマれず、本作も恐る恐る観に行ったのですが、信じられないくらい泣きました💦
「地震や津波のシーンがあります」という警告は、ここのところ嫌というほどTwitterで告知してたけど、まさか東日本大震災ド直球の作品だとは知らなかった。
ついこのあいだ東日本大震災の被災地を訪問してきたばかりだから、自身の中でタイムリーということもあったけど、それを除いても本当に心に沁みた作品でした✨
音楽も、絵も、脚本も、メッセージも、全てが素晴らしい!本当に本当に素晴らしい!
「絶対に劇場で観て!絶対に!」と、誰にでも全力でオススメできると感じる作品に出会えたのは、本当に久しぶりでした💓














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以下、ネタバレはないけど勝手な感想。
被災者でない私が、勝手なことを言っています。


「復興」はここ10年の日本の大きなテーマで、いろんなところで便利ワードのように語られてきた節がある。
もちろん「復興」は大切。
でもたとえ「復興」して街や海が元通りになっても、喪った人は決して帰ってこない。
喪ったものが帰ってこない以上、「復興」には決して終わりがない。
「震災」を、「復興」という前向きなワードに置き換えれば、さも全てを乗り越えて前を向けたような気がするけれど、いくら前を向こうとも喪った人々は帰ってこない。

あの日言った「いってらっしゃい」「おはよう」「今日も寒いね」が最後の言葉になるなんて、誰が想像しただろう。
玄関のドアを閉めるあなたの笑顔が、最後の光景だなんて、どんなに残酷なことだろう。
それを経験した人たちは、幾たびもそれを思い出し、日常がどれほど脆く壊れてしまうものなのかを日々味わうのだろう。
だからこそ、作中の草太のある台詞が、本当に心に響いて、涙が止まらなくなってしまった。
心は癒えない。日常は脆い。幸せは手をすり抜けていく。
それでもやっぱり、大切な人と迎える明日を夢見ることが、どれほど大事なことか。
そしてそんな明日を夢見ることのできる人々が、どれほど強いことか。
ファンタジーを交えつつも、震災の痛みや爪痕にこうもまっすぐ向き合い、そしてそこで喪われた人々に想いを馳せる。
新海監督のその潔さに、改めて頭が下がる思いでした✨
明日も明後日も、大事な人に必ず「いってきます」を言おう。
そしてたくさんたくさん笑い合おう。
そう思わせてくれる、本望に素晴らしい作品です。

ただーーし!舞台挨拶は準備不足?な雰囲気で、まだ製作途上のアドレナリン放出状態から抜け切らない新海誠の独壇場😂💦
キャストさんたち、監督の顔色うかがってなにも喋れてない🥲
司会の方、進行を新海監督に奪われてあたふた💦
素晴らしい作品だっただけに、巨匠の肩に力が入りすぎている様子に、ちょっとヒイてしまいました🙈💦


【ストーリー】

九州の静かな町で生活している17歳の岩戸鈴芽は、”扉”を探しているという青年、宗像草太に出会う。
草太の後を追って山中の廃虚にたどり着いた鈴芽は、そこにあった古い扉から災いが噴き出し、街を覆い尽くそうとするのを目にしてしまう。
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