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すずめの戸締まりのeba0123のレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.4
新海誠監督の作品は「君の名は。」と「天気の子」しか観ていないけどその中では一番良かったです。

本作は震災という非常にデリケートなテーマを扱っていて、実際の出来事を描いている辺りかなり攻めているなと思いました。被災した方々のことを考えると声を大にして、面白かった!おすすめ!とはちょっと言い難いけど監督の強い覚悟を感じました。

廃墟となった場所もかつては栄え、そこでいろんなドラマが紡がれていたと思います。その土地で過ごしていた人々に想いを馳せ悼み風化させない。改めて震災について考えさせれるきっかけになりましたし、人知の及ばない天災にも前向きに生きていこうとする強いメッセージに胸をうたれました。

物語は逃げた出した要石ダイジンを捕まえるため日本を横断するロードムービー仕立てになっています。さまざまな人の温かさに触れ合いながらすずめの成長や草太さんとの関係を深めていく過程がコミカルな描写を交えて描かれていたのですごく楽しかったです。
あとは物語中盤で主人公が前作と同じ選択を迫られるシチュエーションがあったのが良かったですね。

いつものような劇中に挿入されるMVみたいな演出が無かったのも良かった。途中ドライブマイカーを連想させるようなシーンもあって感慨深かったです。
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