ゆりな

すずめの戸締まりのゆりなのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.8
他の方の感想に「感想にするのが難しい」と書かれていて、まさにこれだと思いました。参考のために、自分の「君の名は。」の感想見に行ったら数行しかなかった。正気か?

上映回数が多いことで配給問題叩かれており、わたしも懸念していた側の人間なのですが……上映10分前にチケットを取り、滑り込みました。ありがとうと言わざるを得ない。

正直、前評判が高いだけに斜に構えて観に行きました。「言の葉の庭」や「秒速〜」を越えられるん?と。これ、映画じゃなくて12話のアニメの方がよかったのでは!

美しい美しいと言われている映像は、見慣れてしまうのが難点。
正直、街並みや星空が細かすぎて、もっと「言の葉の庭」のように近距離で小説のように情景を追ってほしかったな〜!

「うたプリ」の聖川さん系の色気ある、泣きぼくろの男……最高……と思ってたら椅子!?!?ターン増やしてくれ!(笑)子どもも多かったんだけど、みみず怖くなかったかな。(わたしは怖かったよ、あと途中のメンヘラ狂気ネコも)

「すずめ」の戸締まりじゃなくて、草太さんの戸締まりじゃん〜と観ていたけれど、そのメッセージは最後に解ける。
「未来」と答えそうな箇所が「明日」だったり、震災を元にしているので「一秒先なにがあるか分からない」点に焦点が当たっているのはよかった!

ただやっぱり「震災」というところがナイーブで気になる!同じように大事な人を亡くした人のことを思うとダイレクトすぎる……。
細田守も似たテーマあると思うんだけど、細田守だったら震災は表に出さないよなぁと思ったり。
正直、親の死に目に会えなかった自分は、震災で家族を亡くした人(津波で行方不明)にただでさえ感情移入しがちで、自分すら辛かったので……。

「明日なにがあるか分からないから、後悔せず生きよう!」という、簡単な感想にはまとめられない。だから本当に「感想にするのが難しい映画」です。

ただ「おかえりなさい」「行ってきます」が愛おしくなる。それだけでも観た価値があったなぁと◎
車での旅を全部、回収していくエンドロールにほっこりした。
ゆりな

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