らもちー

すずめの戸締まりのらもちーのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

面白かった。音楽がとても感動的だった。ミミズが大きくなった時に地面から金色の糸のようなものが浮き上がっていくのが綺麗だし不思議で好き。椅子が走る様子は思っていたよりもとても可愛らしくてよかった。ダイジンとじいちゃんのやり取りで「お久しぶりですとうとう抜けられましたか」みたいなセリフがあって、ダイジンは実は元々人間だったのかなとかそれが何かの罰or罠で猫からの石にされてたのかなとか勝手に想像してワクワクしたけどあまり意味がなかったっぽくてそこは拍子抜けした。育ての母とすずめの関係性の希薄さがしっくり来なかった。すずめが4歳の頃から2人は家族として共に暮らしていてそんな2人に特別な問題はなさそうに見えたのだけどその割に2人にはなぜか距離を感じる(特にすずめサイド)。おばさんが作るキャラ弁だったり長文LINEだったりがすずめにとって不快だったにしてもそこまで過干渉という訳でもないし4歳から育ててもらっててそんなに距離が生まれるか?と思った(中学生くらいから育てられてて今更母親ヅラするなみたいな感じなら納得できる)。おばさんが自分の女としての人生の上手くいかなさを養子といえど子供であるすずめのせいにしてしまう内面は重いテーマだと思うんだけどそれをあのほんの少しの対話だけで浄化・完結させるのは少し無理があるというか中途半端というかおまけな感じがして、それならわざわざ描く必要はなかったんじゃないかと少し思った。左大臣がおばさんに乗り移ったのは何の意味があったのかよく分からなかった。終盤の常世の世界での戦う左大臣の描写は絵に迫力があってよかった。ダイジンは序盤イタズラっぽくて、後半急に大人しく素直になるのは、「気まぐれなのが神の本質」というそうたが途中で言うセリフで納得できるということになるのかな…うーん。ラストですずめがチビすずめに色々語りかけるシーンは素直で真っ直ぐなセリフでかなり好き。チビすずめを抱きしめにいくときの崩れるような動き方も良かった。
扉を開けた世界が星空の綺麗な草原であらゆる時間が同一の世界というのはハウルのオマージュなのかな、ジブリリスペクトをところどころ感じた。
地震の原因を地下ではなく地上に持ってくるのは新鮮ですごいなと思った。
全体的に色々盛りだくさんで楽しかった。
ただやはりそうたは顔がいいのですずめの好きな人になれて石化を回避出来てダイジンは見た目が猫だからかすずめに好きになってもらえなくて石化してしまうという悲しい現実にはキレてしまう。


すずめが神様の石(ダイジン)を抜いたせいでそうたが椅子になる。


ダイジンを追いかけて椅子をもってすずめは九州から北上していく。そうたとすずめの距離は一瞬で縮まる。


そうたは椅子にされただけではなく実は護り石としての役割も引き継がされていたことが判明、一生椅子のままミミズという災厄を沈める任につく羽目に。そうたに恋しているすずめはそうたを救うべく常世の世界へ。


ダイジンが再び護り石になることでそうたは助かる。
「また会いにくるよ」みたいなことを言って別れるシーンは、秒速5センチメートルを思い出しつつあの時のエンドとは全く違う希望を感じさせる終わり方に感動してしまう。
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