このレビューはネタバレを含みます
映画館。妹と。
5超えです。
あの、観終わって、言葉がなかった。
finが来て、エンドロールが流れて、あぁ、神木隆之介やったんや、とか、今回は挿入歌がわたしたち得やったなあ、とか、全国の扉を閉じる会、なにそれ、って思いながらただただ眺める。
圧倒されたまま流れるエンドロール、暗闇、誰も席を立たない。
ああ、みんな浸ってるんかなって思ってあの時間に勝るものってなかなかない。
会場の電気がついてからもなかなか立てなくて、ああ、今日は何も手につかへんなって思った。
ほんまにいい映画を見たら何もやる気が起きへんくなるのって矛盾してるなあ、、
好きな映画とかいい映画と思った作品はなん作品もあるけど、邦画やからこそのこの気持ち。
すずめの戸締まりより好きな映画はあるんやろうけど、わたしにとってはほんまに救われる内容やった。
ここまで長々と書いたけれど以下がストーリーに関する感想です。
まず、不気味さが際立つ。
今回はファイナルファンタジーみたいな不安定な怖さを含んだ曲が映像を先導していて、君の名は、天気の子に劣らない綺麗な空。自然。
超人的な何かが起こる前触れみたいな気を起こさせて、主人公の表情、主人公からみたミミズ。
デイダラボッチ。今回は個人的にはジブリ要素をめっちゃ感じた。
あんなに綺麗な映像にあんなに不気味で怖い描写が入るのがわたしたち得①。
『すずめの戸締まり』の文字が滲んだ感じで映し出されるまえに、「あ、この作品すきやわぁ」と革新。
相変わらず地震速報とかのリアルさがすごい。あと、今回は全国のロケハン。全国の景色、みかんなどの小道具、バー、遊園地、車、、全てがなんかよかったなあ。
ダイジンがダイジンって呼ばれる所以がちょっと飲み込まれへんかってんけど、ダイジンの不気味さよ。
ホラーアニメを見させられてるんかと思った。
東京の要石がある場所から外に戻るシーンも、石の壁を手で支えて登っていくところ、リアルさがすごかった。
東京の空にミミズ。デイダラボッチ。
空の上って、天気の子でもあったけれど、それだけで無力感が伝わる。
自由にいかん感じ、もうどうにもできへん感じが響く。
せりざわくんが押しなんですが。
せりざわくんのチャラそうやのに昭和の曲聞いてる感じ。タバコの煙を気にするし、人によって盛り上がるように選曲するし。
ホダカよりも押しかもしれない。
サービスエリアのシーン。ゲド戦記みたいな言い合い。
ほんまに不気味で最高。
最終シーンになるまで、3.11の話に繋がることをしらんくて、日記を見て3.11の記載に目が行ったときのわたしの中で繋がったあの感覚。納得。みんなもっと早くに察してたかもやけど、わたしにはあそこでキレイに、意図された通りに理解できたことがほんまにデカかった。
映画を通して3.11を描く。
言葉に上手くできないけれど書きます。
もしあれが、君の名はみたいにやりなおすお話やったら、微妙な気持ちになっていたと思う。
でも、今回はそうじゃなかったから。
自然災害、特に地震は日本に住んでいたら常に身近にあるもので、それに対する不安が、普段は忘れているだけで常に私の中に存在する。
どうにもできない超人的な災害。
もし地震で大切な人を失ったとき、わたしはなにを責めたらいいのだろう。
この映画は敢えて地震の原因をミミズにしてくれていることで、遺族の想い、辛さ、憎しみをそこに当ててもいい形になっている気がした。
3.11は、3.11っていう文字だけで表されているほど、日本人の胸に深く残っている出来事やと思う。
知り合いがそこにいなくて身近ではなかったひとでも、あの繰り返されるNHKのcmに、少なくとも半年、1年は心を持っていかれた。
わたしもあの当時は東北に知り合いがいなかったけれど、いつか自分のまわりに起こりうることとして、正直恐怖しかなかった。
そんな3.11を映す。
これ、ほんまにわたしの感想でしかないけれど、こういう映画は作ってくれたほうがいい。
経験しない人は、街がどんな形になるのかも、空の色も、わからない。
もちろんあの街の状況がそのまま現実を移しているとは思っていないけれど、あの状況を大画面でみんなで見て、防ぐことはできへんけどもう一度みんなで向き合おう、って、そういう時間を新海誠が作ってくれた気がした。
映画の中でくらい、超人的な災害を人間でどうにかできると思いたい。
そこからの未来に繋がる言葉も、力強く感じた。
捉え方やけど、わたしには本当に救いになった。
今週、大切な人を連れてもう一度映画館にいきます。
いい作品は広めたい。