ひじき

すずめの戸締まりのひじきのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

3.11の孤児というあまりに重すぎる設定。
それでも悲しく暗く生きているのではなく、普通の子、むしろ前向きな意思が強い子であるすずめは、どれだけ周りの人々に愛されてきたのか。
いってらっしゃい、いってきますの言葉にあるように、人と人のつながり、日常、想い、そういった物がテーマにあると感じたので、すずめの12年間がどのようなものだったのかが想像できる気がする。

後戸が開くのは、人の思いが薄れてしまった時だとも言っていたので、災害があったことの風化を悲しむ気持ちもあったように感じる。
使用楽曲に糸森高校があったのも気になった。君の名は の中でも、災害の風化が表現されていて、その象徴である糸森を今作に取り入れたのも、意図があったのでは無いかと思っている。

災害が題材となっているので、正直観るのはしんどさが強く残るが、人との出会いと愛情も同時に色濃くあるからこそ優しいお話でもあって、辛いけど救われるような、複雑な気持ちをさせられた。
もう一度ちゃんと向き合って観たいけど、しんどすぎて観られる気がしない。
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