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すずめの戸締まりのSpicaのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.5
「かしこみかしこみ 謹んでお返し申す」

映像や音楽の素晴らしさは言わずもがな溜息が出るほど。登場するキャラクターも声優さんも、すべてが素晴らしかった。今までの作品と比べると、よりシンプルかつダイレクトに、伝えたいことが心に響き渡ってくるように感じました。

各地の景色なども楽しめるロードムービーでもあるけれど、いつ何処で震災が起こってもおかしくはない、災害の多い日本ならではの「旅」だなと。
映画の中だけの世界ではないことを改めて実感させられ、身が引き締まる思いがしました。

大震災をテーマにしているため、途中苦しい思いを胸に抱く人は多いだろうと思いましたが、時間が経つとどうしても人間は忘れてしまう生き物だから、これ以上描くのが遅くてはいけないという監督の強い思いも理解できる気がします。

失われてしまった場所や人を悼み、忘れないこと。でもそこに立ち止まってしまわずに前に進むための一歩を踏み出す勇気をくれる、そんな作品だったと思います。

家族愛、友情、恋など、人と人との絆もしっかり織り込まれていて、とても良かったです。
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