くわまんG

すずめの戸締まりのくわまんGのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.0
あらすじ:思い出したくない過去をそのままにしていると、心の隙間が開いて閉じなくなるよ。向き合えば閉じるよ。

子供の頃変な夢を見て、それをこの間久しぶりに見たんだけど、翌朝夢の登場人物が目の前に現れて…というお話。

ある人が、トラウマに囚われ続けたせいで人生に行き詰まり、心が容量オーバーになって爆発してしまった。その相似形として、不特定多数の未浄化の過去が天変地異を引き起こしたという考えは、理解できる。

思い出したくない過去を、笑って思い出せる過去にするために、果たして貴方は人生を振り返ったか。果たして人類は、人類史を振り返ったか。蓋して目を背けるのではなく、向き合ってフィードバックしたか。これを問いかける映画。

なので、草太との恋愛要素は要らなかった気がする。その方がウケるだろうから仕方ないけど、鈴芽(と環)が過去を浄化して前進するだけでハッピーエンドだろう。あと、クライマックスがメッセージ過多で、かえって主題がボヤけていたかも。

ジブリへのオマージュをふんだんに盛り込んだ、二代目宮崎駿襲名立候補ムービーでもあったのかな。確かに、そう称されるに相応しい作品だった。『言の葉の庭』や『君の名は。』でゲボ吐いた俺でも、あっぱれだと思った。